信越化学工業(本社東京都)は二十日、グループで半導体基板材料のシリコンウエハーを増産するため、子会社の信越半導体武生工場(越前市北府二丁目)を増強すると発表した。現工場を拡張し、直径三百ミリの大口径ウエハー素材を来秋から生産、デジタル家電など急伸する需要増に対応する。

 工場単体での投資額、生産能力は明らかにしていないが、長野県内の新設工場や国内増強で計一千二百億円を予定している。

 シリコンウエハーは高純度のシリコンを円盤状にした半導体材料。薄く切って半導体にする。武生工場ではこれまで直径が二百ミリウエハー素材を生産してきたが、より大口径の直径三百ミリウエハー素材となる単結晶(インゴット)生産を初めて行う。

 大口径化で製造コストを引き下げ、半導体の価格変動に対応しやすくするほか国内生産拠点の複数化により自然災害へのリスク分散を図る。

 現在の工場横に増築する形で鉄骨四階建て、延べ床面積三千九百平方メートルの工場棟を新設する。すでに今春から三百ミリウエハー素材生産機器を一部導入し、試験生産に入っている。

 雇用については「数十人の新たな雇用が発生する見込み」(信越化学工業本社)としている。

 同グループ全体では今回の設備投資で直径三百ミリのウエハー生産能力を現在の月七十万枚から百万枚に引き上げる。ウエハー分野では住友・三菱系で世界二位のSUMCO(サムコ)が追い上げており大型投資で世界首位を守る。

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