福井県勝山市で昨年3月、赤トンボ研究の教え子だった大学院生菅原みわさん=当時(25)=を絞殺したとして、殺人の罪に問われた元福井大大学院特命准教授の無職前園泰徳被告の殺害当時についての供述は次の通り。

 —菅原さんが(殺害当日の3月12日午前6時ごろ)車で自宅まで来た。車には何があったか。

 被告 赤いポリタンクがあった。本気で(自宅に)放火するつもりだったのかと思った。無理やり助手席に乗った。(菅原さんが)「殺します」と言った。私を含め家族のこと。(放火するための)ライターを忘れたと言って(菅原さんの家に向け)運転した。大雪なのにスピードを出したので運転を代わった。家に着いてポリタンクを置いた。

 —車の中での会話は。

 被告 ひたすら「殺します」。私に「殺してくれないなら殺します。もう無理です」と何度も言った。本気だと受け止めた。

 —移動して車を止めた。

 被告 突然、「首を絞めてください」と言った。断ったが「もう無理です。殺してください」と首を出す動作をした。まねだけでもしようと両手で軽く首の血管を押さえた。全く抵抗せず、失神した。呼吸があるのを確認して動きだそうとしたら、振動で目を覚ました。

 —再び移動した。

 被告 「無理です。殺してください。楽にしてください」と何度も言った。(2度目は)死ぬのが楽じゃないと思わせようと、わざと強くした。首に右腕を巻きつけて、その腕を左腕で挟むようにした。抵抗しなかった。しばらくして失神した。移動したらまた意識を戻した。

 —また移動した。

 被告 急に言葉が増えて「私は誰とも関われません。みんな私を見捨てるんです」「殺してくれるといったじゃないですか。泰徳さんも裏切るんですか」と。正直どうしていいか分からなくなった。

 —裏切れば信頼をなくす。受け入れれば殺してしまうということか。

 被告 諦めだった。当日の講演の準備、報告書の締め切りも間に合わない。自分ももうだめだと、諦めになったと思う。どうしようもないなと。(それまでは)苦しめるつもりでちゃんと絞めなかったが、今度は楽にしたいと。

 —抵抗は。

 被告 なかった。けいれんで手足がぶるぶると震えるのが分かった。(動かなくなって)しばらくぼうぜんとしていた。

関連記事
あわせて読みたい