3年前に「過活動膀胱(ぼうこう)」と診断され、薬を服用し、症状を和らげる体操をしました。しかし、なかなか治らず治療費もかかるため現在、市販のサプリメントを飲んでいます。昼夜問わずの頻尿はもちろんですが、何の前触れもなく急にトイレに行きたくなり、我慢し切れないことがあります。仕事に差し支えるので1日でも早く治したいです。手術などが必要でしょうか。改善方法について教えてください。
(福井市、55歳女性)

【お答えします】小林忠博 県立病院 泌尿器科主任医長

■薬物療法や膀胱訓練などが一般的

 過活動膀胱とは、突然起こる尿意切迫感(我慢できないほどの強い尿意)を必須とした症状症候群です。通常は頻尿と夜間頻尿を伴い、トイレに行くまでに尿が漏れてしまう切迫性尿失禁を伴うこともあります。

 脳血管障害や脊髄の障害など神経疾患に起因する神経因性と、そうでない非神経因性とに分類されます。しかし、多くは病態生理や発生のメカニズムが不明な疾患です。

 治療としては、生活指導や膀胱訓練、理学療法などの行動療法および薬物療法などの保存的療法が一般的に行われています。サプリメントの効果は分かりませんが、飲み薬から貼り薬までいろいろな種類の薬物がありますので、一度お近くの泌尿器科で相談されることをお勧めします。

■仙骨神経刺激療法も選択肢

 先の治療を少なくとも12週間継続しても改善がみられない場合を、難治性過活動膀胱と定義しています。難治性過活動膀胱の治療としては近年、植え込み型排尿制御用スティミュレーター(仙骨(せんこつ)神経刺激装置)が用いられています。

 仙骨とは腰椎からつながる骨盤の上方後部にある三角形の骨で、そこから出ている神経を仙骨神経といいます。仙骨神経は膀胱の機能を制御しており、仙骨神経刺激療法は、仙骨神経刺激システムを用いて、仙髄神経(仙骨神経叢(そう))を電気的に刺激することにより、過活動膀胱の症状改善を目的とした治療法です。

 体内(腰部皮下)に刺激装置を植え込み、継続的に仙骨神経を刺激することで効果を得ますが、刺激装置を植え込む前に試験的に刺激を行い、治療の効果を確認することができます。試験的刺激で効果がみられない場合は術前の状態に戻すことが可能です。ただし、この治療法は実施施設が大学病院などに限られてはいますが、相談されてみてはいかがでしょうか。

 難治性過活動膀胱の治療は、他に有効な手術療法がないのが現状ですが、近い将来には内視鏡的に膀胱壁内に特殊な薬剤を注射し治療ができるようになることも期待されています。

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