昨年12月頃から、寝ていると右肩が痛むようになりました。レントゲンの結果、骨と骨の間が少し開いているが、たいしたことはないと言われ、痛み止めを5日間分もらいました。その後、痛みが何度もぶり返し、ステロイドや痛み止めを使って場当たり的にしのいできました。別の病院でMRI検査をすると「骨が少し変形しているが、手術の必要はない。そのうち治る」との診断でしたが、痛みは治まらず、夜は4〜5回目覚めます。根治できないのでしょうか。(福井県鯖江市、80代男性)

 【お答えします】松本直幸・福井県立病院整形外科医長

 肩の痛みが長引いているということですが、肩の動きに制限はないでしょうか? 肩の痛みや運動制限の原因としては、いわゆる五十肩や腱板(けんばん)断裂、石灰沈着性腱板炎、肩峰下インピンジメント症候群などがあります。レントゲンやMRIで明らかな異常を指摘されなかったということですので、五十肩の可能性が考えられます。

 五十肩は、肩関節の周りに炎症や癒着が生じることや、肩の関節包などが腫れあがり、瘢痕(はんこん)化することが原因と考えられています。

 (1)炎症期(2)拘縮期(3)回復期の三つの病期に分けられます。炎症期には安静時や動作時の痛みが強く、痛みのために睡眠障害を起こす場合もあります。拘縮期には痛みは軽減しますが、肩関節の動きに制限が出ます。その後回復期に入って、肩関節の動きの制限は徐々に改善しますが、日常生活に支障がない程度に回復するまでに1年程度かかることがあります。

 炎症期には安静が基本で、痛みを伴うような動作や運動はやめます。夜間痛に対しては、肩から肘の後ろに枕を置いておなかの上でクッションを抱くような姿勢が有効です。サポーターやカイロ、入浴などで肩を保温したり、痛み止めの内服や注射を行ったりして痛みをコントロールします。拘縮期には軽い痛みを伴う程度の運動を積極的に行い、拘縮の解除に努めます。

 他に肩関節の痛みの原因として代表的なものには、腱板という肩を動かす筋肉が、上腕骨の骨頭に付着する部位で断裂することがあります。外傷性のものと、加齢によって自然に断裂するものがありますが、断裂の部位や大きさ、年齢などによって手術を行うこともあります。

 また、骨の腫瘍や感染、関節リウマチなどの膠原(こうげん)病関連疾患、頚椎(けいつい)椎間板ヘルニアなど頚椎疾患の可能性もあります。肩こりのような痛みの場合には、高血圧や狭心症などの内科的疾患や眼精疲労、更年期障害、ストレスなどが原因のこともありますので、かかりつけ医とよく相談することをお勧めします。

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