福井県勝山市で昨年3月、教え子の女子大学院生を絞殺したとして、殺人の罪に問われた元福井大大学院特命准教授の無職前園泰徳被告(44)=福井県勝山市=の裁判員裁判初公判が12日、福井地方裁判所であった。前園被告は、菅原みわさん=当時(25)=に殺害を嘱託(依頼)されたと主張。裁判は、菅原さんの殺害依頼の有無が焦点となる。初公判で検察側は「(菅原さんが)自殺をほのめかしてきたが、真意ではなかった」、弁護側は「死への願望を止めることはできず、望みを受け入れてしまった」と双方が真っ向から主張した。

 検察側は、菅原さんが自殺をほのめかす行動を繰り返していたのは、同被告の関心を引こうとしていたためと主張。カウンセリングを受けるなどし、精神状態が安定に向かっていたことなどを、嘱託ではない理由に挙げた。

 事件当日、菅原さんが通信アプリを使い「妻子を殺す」と送信するなど、攻撃的な心理状態にあり、殺害を求める状況ではなかったとした。

 また菅原さんは当時、大量に睡眠薬を服用し、ろれつが回らない状態で、記憶・意識障害があり正常な判断ができていなかったとした。

 一方、弁護側は菅原さんが極端に不安定な精神状態に陥っていたと主張。自己否定、自己破壊をしやすい傾向があったとして、嘱託があった根拠の柱とした。

 弁護側は菅原さんが東邦大大学院進学後、教員からのセクハラで精神状態が悪化。その後休学したが、復学担当職員の辞職などが重なり、心の状態が急激に悪化。事件直前に何度か自殺を試みたという。

 同被告は自殺しないよう説得してきたが、事件当日、何度も「もう無理です。殺してください。楽にしてください」と頼まれ、思いとどまらせようとしたが激しく死を求められたため、被告自身も限界で望みをかなえるために受け入れたとした。

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