高浜1、2号(福井県高浜町)運転延長に向けた対策工事について、藤田副知事(手前)に説明する関電の豊松副社長=8日、福井県庁

 関西電力の豊松秀己副社長(原子力事業本部長)が8日、福井県庁を訪れ、原則40年の運転期間を延長して再稼働を進める高浜原発1、2号機(福井県高浜町)の安全対策工事を月内に着手すると藤田穣副知事に報告した。藤田副知事は工事入りを了承した上で、「本当に現場の安全性が高まる工事内容になっているかが最も大事だ」と強調。1年ごとに工事の実施状況の報告を求め、県として対策の進捗(しんちょく)を確認することで関電と合意した。

 高浜1、2号機は関電が昨年3月、原子力規制委員会へ安全審査を申請。規制委は今年6月20日に運転延長を全国の原発で初めて認可した。関電は認可を受け、工事の具体的な工程などを取りまとめて報告した。

 豊松副社長は「原発は経営の根幹として今後も継続的に推進する」と述べ、40年超運転を含め安全性の確認できるプラントを活用する方針をあらためて示した。対策工事を進めると同時に、実際に原発を見学してもらう取り組みや、企業訪問を増やすなど全社を挙げて県民理解活動を強化することも約束。「社員の顔が見えることが重要。県民の不安、疑問にしっかり向き合う」とした。

 藤田副知事は工事入りを了承しつつ「40年超運転について県としてどういう判断をするかとは別の事柄だ」と述べ、地元判断については慎重に対応する姿勢を見せた。県原子力安全専門委員会での審議、現地調査も含め安全性を厳正に確認すると繰り返し、県民理解活動の実績についても、工事の進捗と同時に報告するよう求めた。

 関電は準備が整い次第、本格的に着工するが、具体的な再稼働時期について豊松副社長は「何よりも皆さまのご理解が必要だ」として、明言しなかった。

 ■安全工事は20年3月に完了

 関西電力が8日示した高浜原発1、2号機の具体的な工事計画によると、工事の完了は1号機が2019年8月、2号機が20年3月となっている。関電によると、工事が完了しても、使用前検査に少なくとも2カ月を要するとみられる。

 関電はこれまで、検査を含めた1、2号機の竣工(しゅんこう)時期を19年10月としていたが、2号機は岩盤内に掘るトンネルに海水管を移設する工事に時間を要するため、翌年にずれこむ見通しとなった。

 主な工事は、格納容器上部のコンクリート製ドームの新設や、中央制御盤の取り換えなど。月内に、燃料取り換え用水タンクや、全長約1300キロに及ぶケーブルの防火対策工事に着手する。海水管を通すトンネルの掘削は17年5月から始める。

 中央制御盤の交換完了は19年8月。機器がデジタル化され、運転員の操作が大きく変わる。関電の担当者は「設置完了の1年前から、シミュレーターを使って運転員の習熟を図る」としている。

 2基の対策工事費は約2160億円。

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