兵庫県豊岡市の竹野海岸の千九百万—千八百万年前(前期中新世)の地層で、福井県立高志高の安野敏勝教諭(59)がゾウ類の歯の化石と足跡の化石を発見したことが、九日までに分かった。また、同県の内陸部でもゾウ類、サイ類の足跡化石を発見。同地域の広い範囲にわたって大型ほ乳類が繁栄していたことが明らかになった。

 これまで、ゾウ類の歯の化石は石川県の能登半島以北と、佐賀県の一部でしか見つかっておらず、本州の西日本一帯は”空白地帯”だった。今回の発見から、本州西部にもゾウ類が繁殖していた可能性が高まった。

 安野教諭は二○○五年十月、豊岡市の竹野海岸で、幅九センチ、長さ六センチ、高さ十センチのゾウ類の歯の化石の一部を発見した。歯表面の凹凸の特徴から国内で確認されている三種のゾウ類の一種「ステゴロフォドン」の右あご第三大臼歯であることが分かった。歯は近くで見つかった足跡化石のそばにあった。同種の臼歯化石としては福島県いわき市で出土した国内最古、最大級の化石と大きさも時代も同等という。

 さらに今年五月、以前足跡化石が見つかっていた兵庫県香美町の香住海岸から約十四キロ内陸にある同町村岡区の矢田川と湯舟川の合流地点で足跡化石を発見した。足跡は二カ所から三十—四十個見つかった。いずれも直径約二十センチ。連続歩行状態のものもあり、歩幅から体高約百六十センチの小型のゾウ類と推測される。

 ゾウ類の足跡化石は、一九九八年に本県の茱崎海岸(福井市)でも見つかっている。

 安野教諭は「足跡化石とともに歯の化石が見つかったことで、ゾウ類の生息が確定的になった。今後、さらに西日本一帯でゾウ類の化石産出が進むのではないか」と話している。今回の研究成果は、十七日に高知大で開かれる日本地質学会で発表する予定。

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