アミノ酸の増殖反応について記者会見する福井大大学院の川崎常臣准教授(左)のチーム=6日、福井市の福井大文京キャンパス

 互いに鏡に映したような分子構造を持つ二つの型があるアミノ酸。生物の体内はほとんど一方の型で占められている。その謎を解明し生命起源の研究に貢献する可能性がある、一方の型のアミノ酸が自ら増殖する反応を、福井大大学院工学研究科の川崎常臣准教授(40)のチームが発見した。英国王立化学会のケミカルコミュニケーション誌の電子版(7月28日付)に掲載された。

 アミノ酸の化学合成では、分子の平面構造は同じだが、立体構造が鏡映しのように異なる「キラリティー」という性質を持つL型とD型が等量できる。同チームは、いずれもキラリティーを持たないシアン化水素、アルデヒド、アミンの三つの試薬を使ったアミノ酸合成過程で、試薬にL型、D型どちらかのアミノ酸を加えると、その型のアミノ酸に変換する中間体がほぼ100%の確率で生成されることを突き止めた。

 その中間体にシアン化水素などキラリティーを持たない試薬を追加すると、中間体が増殖していくことも分かった。

 アミノ酸は生体をつくるタンパク質のもとで、生体内のアミノ酸はほとんどがL型。生命誕生前の地球で、L型だけが増殖していったことを検証する重要な成果だという。

 6日、福井大文京キャンパスで川崎准教授と院生の會場翔平さん(23)と高松直矢さん(25)が記者会見して発表した。

関連記事
あわせて読みたい