福井県大野市の全小中学校を対象とした再編計画で、大野市教委は1日、中学校5校を2023年4月に1校に統合して市内全域を校区とする案を発表した。小学校10校は26年4月に2校にする。それぞれ新たに学校を建設する。

 市教委が昨年示した計画素案では、小中学校それぞれ2〜3回の統合を経て2029年度までに「2校以内」にするとしていた。

 市教委では「子どもの数が減少し将来、中学校を1校とする事態になることは避けられない」と説明。段階を踏まずに一度に統合する点については「数回にわたると、子どもや保護者の負担が重い」としている。

 県教委によると、小中学校の再編計画が現在進んでいる県内各市で中学校を1校とするのは大野市だけ。

 再編時期は和泉地区が市街地から遠いことを踏まえ、中部縦貫自動車道大野油坂道路の開通を見込んで設定。中学校は「部活動の数が制限されるなど特に小規模校の課題が顕在化している」として先に再編に取り組む。

 小学校は現在の開成、上庄、和泉中の校区と陽明、尚徳中の校区でそれぞれ1校をつくる。再編後は中学校が約690人、小学校はそれぞれ約550人、約600人が在籍すると見込んでいる。小中学校ともに新校舎の建設候補地は「未定」としている。

 3校の新築には計約105億円が掛かると試算。現在の全15校を存続させて建て替える場合と比べて経費が大幅に削減されるとした。

 同市では児童生徒の減少が続き、現在の児童は1989(平成元)年に比べて53%減少し約1550人、生徒は同じく53%減の870人となっている。

 市教委は10月、市内各地区で住民説明会を開く予定。

 ■市民に驚き、対話望む声

 大野市の小中学校再編計画案では再編後の学校数と再編の時期が素案と大きく変更され、市民に驚きが広がった。市教委に対話を求める声も聞かれた。
 市PTA連合会の山本耕平会長(39)は、小中学校ともに段階を経ず一度に再編する内容に「再編を加速させる内容で残念だ。素案とはかけ離れていて、経緯の説明も不十分」と指摘した。

 10年後の児童数の推計では現10校のうち5校が100人を上回り、富田小も90人となっている。山本会長は「現状のままで素晴らしい環境なのに、なぜ一気に進めるのか。大野市の良さである地域の特色が薄れてしまう」と危惧する。

 仮に市街地に新校舎ができた場合、和泉地区では中部縦貫自動車道を使っても通学に45分前後かかる。和泉自治会の辻善範会長(63)は「小学生には酷だ」と心配する。「せめて小学校だけでも残してほしいと訴えているが、市教委と話し合いができていないのが現状」と話し、対話に応じるよう求めた。

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