「やなせたかし-アンパンマンとメルヘンの世界-」展のチラシ

 優しいタッチに込められた正義と愛-。「やなせたかし-アンパンマンとメルヘンの世界-」展(福井新聞社共催)は7月14日、福井県あわら市の金津創作の森で開幕する。同館開館20周年、あわら市とやなせさんの出身地である高知県香美市の姉妹都市締結10周年を記念して企画。代表作アンパンマンや初期作品「チリンのすず」の絵本原画、雑誌の表紙原画、姉妹都市にちなんだ作品など約100点が並ぶ。子どもから大人まで楽しめる展示を通して、やなせさんの感性をたっぷりと伝える。

 やなせさんは漫画家、絵本作家、編集者、演出家、作詞家、イラストレーターとして幅広く活躍し、2013年に94歳で亡くなった。今回は香美市のやなせたかし記念アンパンマンミュージアム振興財団から多くの作品を借り受ける。

 大ヒット作のアンパンマンは、まん丸の優しい顔と、顔をちぎって人に食べさせる“自己犠牲”が魅力のキャラクター。やなせさんが戦争を経験し“正義はあっけなくひっくり返る”と感じたことから生まれたといい、「逆転しない正義は献身と愛」「正義を示すもっとも端的な行為は、飢えた人に一片の食べ物をさし出すこと」との深い思いが込められている。

 アクリル画「手のひらを太陽に」(縦125センチ、横100センチ)は、やなせさんが作詞した同名の曲がモチーフ。アンパンマンやバイキンマン、カレーパンマンらが力強く手を太陽にかざしている。歌詞は、漫画の仕事に芽が出ず悩んでいた40代の時、懐中電灯で手のひらを透かすと赤い血が見えて驚いたことから生まれた。著書の中で「心は元気がなくても、血は元気なんだなと、自分自身に励まされたように感じた」と振り返っている。

 優しいタッチで真っ白なヒツジを描いた絵本「チリンのすず」、香美市にちなんだ絵本「ガンバリルおじさんとホオちゃん」などの原画も披露する。ともに“やなせイズム”が底辺に流れ、見る人に生きる意味を考えさせる。

 10月8日まで(月曜休館)。一般800円、中高生600円、3歳~小学生400円、65歳以上と障害者各半額。問い合わせは同館=電話0776(73)7800。

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