開設から1年を迎えた小松空港の福井県アンテナショップ「福井のみやげ」=石川県小松市

 福井県が小松空港に開設したアンテナショップ「福井のみやげ」は、昨年8月7日のオープンから1年がたった。初年度の年間売上高は約1千万円で1日平均3万円弱。県産品の販路拡大への貢献はまだ限定的だ。さらに売り上げを伸ばしていくため、空港売店という特殊な市場へのチャレンジショップとして位置付け、全国の空港へ販路を広げようとする業者も出始めている。

 福井のみやげは、小松空港ターミナルビル2階の出発ロビーの一角、約24平方メートルを借りて設置。日本航空グループの「JALUX(ジャルックス)エアポート」が、自社売店と一体的に運用している。同ショップを担当する福井県広域誘客課の担当者は「賃料や電気料といった県の年間支出分は上回っており、年商1千万円でも実質的には黒字経営」と話す。

 取扱品目は約90品。平日のビジネス客が多いことから、羽二重餅など手土産用の菓子類は全般的によく売れる。カニの生ふりかけや日本酒といった、「これぞ福井」といえる商品も売れ行きは好調という。

 同社は7月から正社員の店長職を設けた。赴任した中田慎太郎店長は、同ショップを「ご当地感を完全に打ち出せる商品ばかりというのが強み」とする一方、「商品の種類が多くないし、陳列方法も課題。今後改善しなければならない」とみている。

 中田店長は、売り上げ増対策として「遊び心を入れた、見せる売り方を考える」と語る。特に菓子類の新規納入業者の開拓に力を注ぐ。目標は「初年度の3倍の売り上げ」だ。

 ただ、わずか24平方メートルのスペースでの営業には限度がある。そこで、県側が狙いを定めるのは日本航空グループの販路を使った県産品の「全国進出」だ。

 弁当製造・販売の三丹本店(福井県あわら市)は、この販路で売り上げ増を目指す業者の一つ。地元の柿の葉を使った「柿の葉寿司」を空港で販売する計画を立てており、現在は品質検査を受けている。厳しい検査をパスすれば、小松空港はもとより全国の系列売店でも販売できる。同社の担当者は「ゆくゆくは羽田空港進出を目指したい」と意気込む。

 過去には福井県の焼き鯖寿司が「空弁」ブームの火付け役となったこともあり、弁当類は全国の空港売店に展開できると関係者はみている。一方で菓子類は「地域性の高い商品しか売れない。小松以外での販売は難しいかもしれない」(福井県広域誘客課)という。

 ただ、日本航空グループは通信販売など幅広い販売ルートを持っており、中田店長は「小松ショップでの売れ筋商品を、別ルートでの販売に推薦することもやっていきたい」と話している。

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