九頭竜川流域委員会の第三十二回会合が十八日、福井市の県生活学習館で開かれた。国土交通省と県が提示した足羽川ダムを含めた九頭竜川水系全体の河川整備計画原案を審議。二月の前回会合で意見が割れたダムの規模については、福井豪雨を上回る「百五十年に一度」の洪水を見据えた高さ九十六メートルで合意し、実質的な審議を終えた。

 原案公表に伴い、国と県は二十一日から流域五市町で住民説明会を開く。その後、流域委と住民意見を反映させた河川整備計画案を作成し、知事と流域首長の意見聴取を経て、年内の計画策定を目指す。

 原案は、国と県が管理する同水系の九頭竜川、足羽川、日野川の主要三河川と各支流を六ブロックに分け、今後二十—三十年間の具体的な整備内容を示している。

 足羽川ダムについては、福井豪雨級の洪水に対応する先行整備分として、池田町の部子川をダムサイトとする洪水調節専用の「流水型ダム」本体と水海川からの導水管を盛り込んだ。水海川では高さ約十五—二十一メートルの分水施設で流れをせき止めることになる。

 「百五十年に一度」の洪水を見据えた足羽、割谷、赤谷の三河川からの導水管は次回以降の河川整備計画に盛る方針。

 九頭竜川では、川幅を広げる「引堤」や中州の除去のほか、九頭竜、真名川など既設ダムの治水容量の増加を検討する。日野川でも引堤や橋の架け替えなどを行い、流下能力を高める。主要三河川に流入する各支流についても堤防強化や河床掘削などを実施していく。

 足羽川ダムに関する質疑では、一部の委員から「導水管が流木や土砂で詰まる恐れはないか」「流水型ダムは環境に優しいとされているが、洪水が引いた後の周辺環境への影響は」などの意見が出された。

 国は「導水管の上流には、福井豪雨のデータを踏まえた流木・土砂止めを設置する」「ダムが洪水で満杯になっても、二日程度で流すことができ、周辺環境への影響は極めて少ないと考えている」などと答えた。

 福井豪雨級の洪水に対応する高さ七十六メートルか、百五十年に一度に対応する高さ九十六メートルかで意見が分かれていたダムの規模について、閉会後に記者会見した池淵周一委員長(京都大防災研究所教授)は「工事の手戻りによる建設費の増大や水没地域の分断による社会的影響などを考慮すると、このサイズが妥当」と説明。その上で「九頭竜川流域には民有林が多くあり、森林の保全は当然の話。河川行政と林野行政のさらなる連携を求めたい」と締めくくった。

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