高浜原発周辺の県外避難ルート

 福井県は15日、関西電力高浜原発(同県高浜町)の30キロ圏に入る福井、京都、滋賀3府県と国が合同で今月27日に行う原子力防災訓練の概要を発表した。福井県民の避難訓練参加は過去最大規模の835人を予定。県外避難を初めて検証し、避難途中の放射能汚染検査(スクリーニング)を京都府内で行うほか、避難先の兵庫県まで一部の住民がバスやマイカーで実際に移動する。

 内閣府と3府県、関西広域連合が合同で開催し、原子力規制委員会や自衛隊、自治体など防災関係150機関、約2000人が参加。同原発から30キロ圏内の京都府民は約450人が避難訓練に臨む。福井県と京都府の参加住民は、屋内退避訓練も含めて計7150人に上る。

 訓練は午前6時に若狭湾沖で震度6弱以上の地震が発生し、高浜原発の全交流電源が喪失。原子炉に注水できない事態となり、放射性物質が外部に放出されたとの想定で行う。住民避難は5キロ圏がまず放射性物質の放出前に避難を始め、放出後に放射能の実測値に基づき30キロ圏が避難する。

 県外避難の訓練には高浜、おおい町の240人が参加し、避難ルートは舞鶴若狭自動車道を使用する。30キロ圏の避難時に行うスクリーニング場所を経路途中の綾部パーキングエリア近くの「あやべ球場」(京都府綾部市)に設定するほか、マイカーからバスに乗り換える避難中継所を「丹波の森公苑」(兵庫県丹波市)に設ける。いずれも初の試み。

 240人のうち135人は、100キロ以上離れた県外避難先の兵庫県宝塚市や三田市などに移動し、宝塚市役所などに置かれた仮の避難所での受け付けや実際の避難先施設の場所を確認する。

 県内避難には小浜市、若狭町を含めた4市町の595人が参加。スクリーニング場所に多数の避難者が集中する場合の対応訓練が目玉で、美浜町役場に490人が立ち寄り、車両などの汚染検査や除染がスムーズに行えるかをチェックする。避難先施設では、健康チェックや非常食の提供などの受け入れ訓練を行う。

 このほか熊本地震の教訓を踏まえ、30キロ圏の屋内退避が家屋倒壊により不可能となった場合を想定して、指定避難所に移動する訓練を実施。避難ルートの高浜町内の県道ががけ崩れで通行不能になったとして、自衛隊が障害物を取り除く訓練も行う。

 合同訓練は、昨年12月に政府の原子力防災会議で同原発30キロ圏の広域避難計画が了承されたのを受け、計画の実効性を検証するのが狙い。県の木村正二・危機対策監は「(丹波市の)避難中継所は広域避難計画に位置付けられていないが、訓練で検証し、計画に反映するかどうか検討したい」と話した。

 28日には関電大飯原発(おおい町)での事故を想定した県の原子力防災訓練を行う。

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