JR福井駅西口の空き店舗で6~7月にオープンした(上から時計回りに)ナニワ屋、塚田農場、ベスタ。飲食店の出店が相次いでいる

 福井市のJR福井駅西口に飲食店の出店が相次いでいる。商店街の空き店舗に、県内事業者に加え、北陸初となる全国チェーンなど県外企業が進出。2022年度に控える北陸新幹線の福井県内延伸や休日のイベント定着による集客の期待感が出店を後押ししているようだ。4月オープンのハピリン商業フロアを含めて飲食店の集中度は高まったが、新規出店者は相乗効果によるエリアでの来客増加を見据えている。

 市の第三セクターまちづくり福井によると、中央1丁目の1階全店舗(空き店舗含む)のうち飲食店が占める割合は、今年2月現在で19・6%(66軒)。2012年に比べて3・9ポイント上がった。「駅前の中心は昔は物販だったが、飲食店に変わってきた。物販はネット販売やアウトレットモールに押され、重い家賃負担に耐えられなくなるケースも出てきた」。同社の岩崎正夫社長はこう分析する。

 行政の支援策も飲食出店を促した。福井市は14、15年度、ガレリア元町商店街や駅前南通りの一帯を「福井の食集積エリア」と位置付け、地場産食材を扱うなどの飲食店に対し、開業経費の補助額を通常の2倍の最大150万円に拡充。期限となる今年3月には、県内事業主のカフェなど3軒が開業した。飲食店11軒が入居するハピリン開業を挟んだ後も、県外企業が複数出店。今年の飲食店開業は、ハピリンも含めると20軒に迫る勢いとなっている。

 ■集客、相乗効果に期待

 自社生産地鶏を売りに全国展開する居酒屋「塚田農場」は7月、北陸3県では初となる店舗を中央大通り沿いの好立地に構えた。担当者は「北陸新幹線が通れば観光客は増える。駅近くは集客が見込める」と将来を見通す。ハピリンにはカフェバー「プロント」と「バーガーキング」も北陸で初進出している。

 石川県を本拠地とする串カツ専門店「ナニワ屋」は6月、ガレリア元町商店街で県内初出店。ほぼ毎週末に開かれているまちなかのイベントを歓迎し、「駅周辺に店舗や交通機能が集まっていて金沢市よりも栄えやすいはず」(幹部)と意気込む。

 「全国チェーンが強いブランド力で集客してもらえれば相乗効果が見込める」と話すのは、ソーホーズインターナショナル(本社福井市)の齊藤仁志常務。駅前電車通りで7月に開業した「ベスタ」では、石窯の本格ピザや鉄鍋で調理するストーブ料理を提供し、他店との差別化を図る。

 齊藤さんは、駅周辺の飲食店約30軒が加盟する共同販促組織「フードワークス」の代表も務め、イベント企画や情報発信に力を入れる。「駅前は駐車場代がネックと言われがちだが、それを上回る良い店が出てきている。駅前のメリットにもっと気付いてもらいたい」と話す。

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