慰霊碑塔前で献花し手を合わせる参列者=6月28日、福井県福井市の足羽山西墓地

 1948年の福井地震の発生から70年の節目を迎えた6月28日、福井県福井市や永平寺町で追悼式が営まれた。遺族や震災を経験した高齢者らが参列。犠牲となったかけがえのない家族らに思いを寄せ、今もあせぬ被災の記憶が教訓として受け継がれるよう願った。

 震災と45年の福井空襲の犠牲者を慰霊する福井市主催の追悼式は、同市の足羽山西墓地にある慰霊碑塔前で開かれ、遺族の高齢者ら約60人が出席した。午前11時のサイレンに合わせ、参列者全員で1分間黙とうし、献花台に一人ずつ白菊をささげた。遺族は慰霊碑塔に向かってじっと手を合わせ、故人をしのんだ。

 東村新一市長は式辞で「悲痛な思いを抱えながら復興に尽力いただいたことに敬意を表する。災禍を決して風化させないようにすることはわれわれの使命」と述べ、防災や減災に最善を尽くす決意を示した。

 福井地震で中学の担任教諭が校舎の下敷きになって亡くなった九ノ里俊一さん(83)=同市=は「ショックだったのを今でも思い出す。体験者は減っていくけれど、次の世代に語り継いでいってほしい」と沈痛な表情を浮かべていた。

 260人余りが亡くなった福井市森田地区でも、慰霊のため地震後に建てられた栄町の震災観音堂で自治会主催の法要が営まれた。県内外から訪れた遺族や住民ら約50人が焼香し、犠牲者を悼んだ。

 福井地震は、48年6月28日午後5時13分(当時はサマータイムで現在の同4時13分)、坂井市丸岡町付近を震源に発生した。規模はマグニチュード7・1。家屋倒壊や火災などで3769人が亡くなった。

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