「固い決意を持って(WITH GRIM DETERMINATION)人々は復興への長く、厳しい努力を始めるために家財道具を持ち出した」と進駐軍は写真説明に記した。奥は大和百貨店=1948年6月29日(福井県立歴史博物館提供、原版所蔵・米国立公文書館)

 3769人が死亡し、最大値の震度7を設けるきっかけになった福井地震は6月28日、発生から70年を迎えた。近年、国内で東日本大震災や熊本地震など大きな地震が頻発している。福井地震以降、福井県内では発生していないが、体験者の多くが高齢化し亡くなる中、大災害の経験や教訓をどう受け継いでいくかは重い課題だ。福井市などで同日、追悼行事や講演会が開かれる。犠牲者を悼み、今後の災害に備える大切な1日となる。

 福井地震は、1948年6月28日午後5時13分(当時はサマータイムで現在の同4時13分)、福井平野(坂井市丸岡町)を震源に発生。直下型と呼ばれる地震で、マグニチュード(M)7・1だった。

 犠牲者は2011年の東日本大震災(2万2199人、行方不明者含む)、1995年の阪神大震災(6437人、同)に次いで戦後3番目に多い。地震直後から火災が各地で発生し、被害が拡大した。家屋全壊は県内で約3万5千戸に及ぶ。1カ月後の豪雨で、地震で損傷した九頭竜川堤防の決壊などで大規模な洪水が発生、複合災害の側面も持つ。

 節目の28日、福井市は午前10時50分から、戦災・震災犠牲者追悼式を足羽山西墓地の慰霊碑塔前で開く。同11時のサイレンに合わせ、1分間の黙とうを呼び掛けている。永平寺町は、70年を経て初となる追悼式を午前10時から松岡公民館で開く。被災体験者の証言を基に紙芝居や記録集を作っている町健康長寿クラブ連合会との共催。

 また、県立歴史博物館(福井市)では特別展「福井震災70年 記録と記憶を未来へつなぐ」(福井新聞社後援)が開幕。地震発生から復興までを同館が収集した記録写真や体験者インタビュー映像などから振り返る。

 震源地の坂井市は午後7時から、ハートピア春江で地震防災講演会を開催。NPO法人まちの防災研究会(敦賀市)の松森和人理事長が「地震防災~命を守るために~」と題して講演する。

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