たすきを掛け、支援者と一緒に笑顔で走る堀江将尊さん(手前右から2人目)=昨年9月、福井県福井市(2017福井RUNーTOMO実行委員会提供)

 警察官時代の2007年、交通安全講話スキルアップコンクールで最優秀賞を受賞した。50歳で若年性認知症と診断された堀江将尊さん(57)=福井県福井市=は「認知症になっても人と話すこと、外に出ることは好き」。生来の明るい性格は今も変わらない。

 ⇒ふくいを生きる「第7景」全11回を先行公開

 認知症と診断されてから3回、市内の公民館に出向き高齢者に振り込め詐欺防止の講話をした。「とにかく昼間の電話に出ないことです」。しばらくすると同じ話を繰り返す。「電話に出ないことです」。そしてまた同じ話。

 聞いている高齢者たちが戸惑い始めたころ、講話を企画した福井赤十字病院居宅介護支援事業所のケアマネジャー、山崎奈満さん(44)が隣で種明かしをする。「皆さん、実は堀江さん、認知症なんです」

 「ええ、そうやったんかあ」。高齢者たちの表情は一変し、質問がどんどん飛んでくる。「いつ認知症に?」「症状は?」「実はうちの家族が認知症で…」

 堀江さんは丁寧に質問に答えていく。「警察官と認知症の経験を生かして、社会のお役に立てるのはうれしい」と笑う。

  ■  ■  ■

 3年ほど前、福井市地域包括ケア推進課の岡田早苗さん(47)は、堀江さんが高校時代に写真部だったことを知り、撮った写真をメールでやりとりすることを提案した。

 犬のような形の雲、青空をバックにした白やピンクのバラ、住宅街にかかる虹、ソバの花…。堀江さんから送られてきた写真は昨年9月の認知症理解普及月間の催しに合わせパネルにした。

関連記事
あわせて読みたい