スポーツクライミングの東京五輪での実施が決まり、「登りがいがある大きな壁ができた」と練習に汗を流す廣重幸紀選手=4日、福井市の県立クライミングセンター

 「登りがいがある壁(目標)ができた」。4日、スポーツクライミングが2020年の東京五輪追加種目に決まり、福井県内トップ選手の1人で、同競技の日本代表(B代表)の廣重幸紀(ゆき)選手(20)=福井大3年=は喜びの声を上げた。東京五輪は「もちろん挑戦したい」ときっぱり。県内には廣重選手のほか、日本代表(A代表)の尾上彩選手(20)=県体協=もおり、関係者は「普及に弾みがつく」と期待を寄せた。

 廣重選手は、朝のニュースで決定を知った。「マイナースポーツだけど、自分が人生をかけている競技。これから脚光を浴び、広く知ってもらえる機会が与えられてうれしい」と満面の笑みをみせた。

 小学5年の時、父親の影響で競技を始めた。壁を登ることに楽しみを覚え、国内外の大会で活躍。3月に東京で開かれた日本学生個人選手権大会ではロープを使わずに壁を登るボルダリング女子で2連覇を達成した。制限時間内に到達できた高さを争うリード種目技の日本代表選手(B代表)に選ばれた。

 練習は週3〜5日、4時間打ち込んでおり、この日も午後から県立クライミングセンターで汗を流した。今月は、オーストリアとイタリアでのワールドカップが控えており「まだまだ力は足りない。注目が集まるので、背筋がぴんと伸びる思い。積み上げたものを発揮できる登りをみせたい」と気を引き締めた。

 スポーツクライミングの普及、競技強化に取り組んでいる県山岳連盟の牧野治生会長(71)は「非常にありがたい話だ」と喜んだ。「腕力だけでなく、体のバランス、コースを読む知力が求められるスポーツ。競技の魅力を伝え、競技人口の裾野を広げていきたい」と力を込めた。

 県内には、日本代表に選ばれている尾上選手もいる。牧野会長は「施設の充実はもちろん、実戦経験を積ませることが一番。海外遠征支援やトレーナーなどサポート体制も充実させていきたい」と話している。

 ■スポーツクライミング 突起物が設置された人工の岩壁をよじ登る競技。気軽に楽しむスポーツとして人気が高まっている。制限時間内に到達できた高さを争う「リード」、ロープを使わずに登る「ボルダリング」、速さを競う「スピード」がある。東京五輪では三つを組み合わせた複合種目を実施。男女各20人、計40人が出場する。

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