【越山若水】福井、東京、長野、石川、富山。これらは幸福度ランキング2018年版のトップ5。わが郷土だけでなく、北陸の3県全てが上位に名を連ねているのがうれしい▼卑俗な言い方に「越中強盗、加賀乞食(こじき)、越前詐欺」なんていうのがある。表しているのは3県の県民性だが、実感では3兄弟のような間柄だと受け止めてきた▼だからまさか、と衝撃を受けた。富山市できのう起きた交番襲撃事件である。警察官が刺殺されて拳銃を奪われた上、近くの小学校にいた警備員が撃たれ死亡した▼この凶悪な事件の容疑者は、富山県内に住む21歳の元自衛官。一体、何が目的だったのか。小学校へなぜ向かったのか。本人は警察に撃たれて重体というから推測するしかない▼連想してしまうのは、つい先週の児童切り付け事件である。静岡県藤枝市の路上で、近くの小学校から下校中の4年生の男の子が18歳の少年に刃物で切られ、頭に重傷を負った▼いじめられた昔の恨みを晴らすのに「誰でもよかった」と少年は供述した。この事件に富山の容疑者が刺激されたのでなければいいが、と心配だ▼兄弟県の名誉のために言えば、殺人など凶悪犯罪の認知件数は例年、福井と同程度に少なめ。昨年に限れば福井の22件に対し富山は半数以下の10件だ。風土はともに全国でも穏やか。そこに惨劇が起きてしまうのが現代の怖さである。

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