24年ぶりの甲子園出場を決めマウンドで喜ぶ北陸ナイン=7月27日、福井県営球場

 「正直、ここまでくるとは思っていなかった」。優勝決定直後、北陸の三ツ井将大主将は素直な思いを口にした。夏の福井県大会は5試合中4試合が2点差以内の接戦。初戦から楽な試合は一つもなかった。だが「大会の中でチームが目に見えて成長していった」と谷津田伸二監督は言う。一戦ごとにチームは強くなり、ついには高校野球の聖地への夢切符を勝ち取った。

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 24年前。甲子園には“北陸旋風”が起こっていた。優勝候補の近大付(大阪)を破るなど、8強入り。福井県初の夏の3勝に県民は熱狂した。

 しかし、北陸はあれから聖地に立てなかった。2000年に入ってからは、夏の甲子園切符は敦賀気比、福井商、福井工大福井の3校が独占。北陸は08、09年と決勝に進むも、あと1勝が遠かった。

 現チームにとっても、甲子園は夢物語だった。秋は初戦敗退。春は準々決勝で福井工大福井にコールド負け。「力は持っているけど本番で出せない」(宮田コーチ)。勝負弱さばかりが目立っていた。

 勝てるチームへ—変貌の転機は6月の強化練習。1週間ずつ体力、守備、打撃を徹底的に鍛えるが、最大の目的は勝利への執念を養うこと。休む間もなく走り続ける練習は三ツ井主将が「立っていられなかった」というほど過酷だった。それでも、全員で乗り切った。「夏は気持ちで負けたら終わり。自信になった」(三ツ井主将)。チームは確かに変わった。

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 迎えた夏の県大会。苦しみ耐えた成果は準々決勝、シード啓新戦で表れた。先行したがじりじりと追い付かれる苦しい展開にも、焦りはなかった。すると八回、「全員の思いを乗せた」三ツ井主将の決勝本塁打で勝利。勝つごとに自信は深まり、ナインの執念は勢いに変わっていった。

 夢にまで見た甲子園。「実感がない」「想像つかない」と笑うも、最後には「福井の代表に恥じない試合をしたい」と口をそろえる選手たち。大舞台でも一戦必勝の熱い戦いを見せてくれるはずだ。

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 北陸が24年ぶり3度目の夏の甲子園出場を決めた。戦力や成長の軌跡に迫った。

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