福井県警が運用している防犯カメラ=6月25日、福井市の福井運動公園

 犯罪抑止に効果があるとして福井県警は6月27日以降、県内全17市町に街頭防犯カメラの設置促進を要望していく。5月に新潟市で発生した女児殺害事件などで防犯カメラの映像が容疑者特定に一定の効果を上げる中、公共施設や通学路などにカメラを整備してもらうことで、多発している子どもや女性を狙った不審者対策にもつなげたい考え。

 県警によると、要望書は全11署が順次、各市町に提出する方針で、人けの少ない通学路や人が集まる観光地、商店街などへの設置検討や、設置団体への支援を行政側に依頼する。27日には越前署長が南越前町長に、あわら署長があわら市長に要望する。

 県内では5月に福井市で発生したガソリンスタンド強盗事件で、周辺に設置された防犯カメラ映像などが容疑者特定に役立った。県内で昨年確認された子どもへの声掛け・つきまといは223件(前年比19件減)と依然多く、県警はカメラ設置が不審な行動抑止にもつながるとみている。

 県警は、福井市の福井運動公園周辺で防犯カメラ20台を運用している。子どもや女性への不審者の声掛けが多かったため16年8月に設置し、これまでに窃盗など犯罪捜査にも活用した例があるという。

 プライバシー保護の観点から、市町が設置する際は設置場所や角度、画像の管理方法について、県警が求めに応じて指導、助言するとしている。

 県警生活安全企画課の山本泰弘理事官は「犯罪の起きにくい社会に向けては、警察官のパトロールや地域住民による見守り活動などに加え防犯カメラ設置も有効」と話す。本年度は、市町以外に民間企業にもカメラ設置を働きかけていく。

 一方、人権問題に詳しい島田広弁護士(福井弁護士会)はカメラ設置について、防犯に役立つとする一方、プライバシー侵害につながる懸念を指摘する。「例えば『共謀罪』の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法では、共謀・計画の疑いがあれば、準備行為とは関係なく捜査機関が協力を依頼でき、街中の防犯カメラ映像による監視も可能になる。刑事事件全体や殺人など凶悪事件は減り続けている中、増設は本当に必要なのか。防犯と監視のバランスをどう取るか、社会で議論が深まるとよい」と話している。

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