7回裏、北陸先発水野隼斗(左)からマウンドを託される本多拓生=27日、福井県営球場

 北陸先発の水野隼斗が七回途中、本多拓生にマウンドを託した。「任せたぞ」「任せろ」。短い会話だったが「安心できた」と水野。本多は「(水野)隼斗が頑張ってくれていた。ぼくも」と気持ちを奮い立たせた。ともに左投げ。「最高の仲間であり、最高のライバル」と互いに認める2人がリードを守り切り、24年ぶりの夏の甲子園に導いた。

 緩い変化球と130キロ前半の直球で打たせて取るスタイルも同じ。水野は「本多が準備しているし、最初から飛ばした」という。カーブを軸に組み立てたが三、五回に四死球が絡んで計4失点。「福井商打線は粘ってくるし、やっかいなバッターが多かった」と反省ばかりが口を突いた。それでも勝ち越しは許さなかった。

 継投に備えていた本多は投球のイメージを膨らませていた。「タイプが似ているし、ずっと一緒にやってきていたから参考になる。(試合の流れに)すぐ入っていけた」。緩急と合わせ、コースを丁寧に突いた。

 1年夏からベンチに入っていた2人。女房役の川畑大樹は「力はあるがバックを信頼していなかった。今年の春の大会で負けた後、チームで話し合って2人とも変わった」という。

 ピンチでも冷静な水野。強気の本多。練習では最大のライバルだが、試合では互いを信じ、バックを信じるようになった2人。今大会5試合のうち4試合を継投で勝ち上がった。胴上げ投手となった本多は「隼斗がいたからやってこられた」。揺るぎない信頼で勝利をつかんだ

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