鉄道ファンらが見守る中、入線する福井駅発の一番電車=6月24日午前6時10分ごろ

 えちぜん鉄道の福井県福井市中心部の運行が専用高架に切り替わった6月24日、県内外の鉄道ファンや沿線住民が早朝から殺到し、一番電車の車窓の風景を堪能した。同じ日に供用が始まった新しい福井駅舎も利用者におおむね好評だった。全面ガラス張りで県産スギ材をふんだんに使ったデザインに「光が差し込み、温かい雰囲気。全国に誇れる駅舎になった」との声が聞かれた。

 福井駅舎2階にあるホームには早朝から、午前6時15分発三国港行きの一番電車に乗ろうと、県内外から約50人の鉄道ファンが詰め掛けた。横浜市の横井敦さん(46)はその一人。23日には、地方鉄道のえち鉄が開業前の整備新幹線高架を利用する全国的に珍しい風景をビデオに収めたという。「きのうは間借り走行最後の日の姿を撮れた。きょうは違う風景を見ることができる」と語り、ビデオカメラを構えながら乗り込んだ。

 越前市の深川智暉(ともき)君(9)は、父の将司さん(42)と一番電車で福井―まつもと町屋間を往復した。智暉君は、2015年9月の新幹線福井駅部を使った間借り走行開始時や、16年3月のえち鉄と福井鉄道の相互乗り入れ便の運行が始まった時も一番電車に乗ったほど電車好き。福井駅に戻ってきた後「とてもかっこよかった。また乗りたい」と笑顔で感想を話していた。

 沿線住民もたくさん駆け付けた。永平寺町えち鉄サポート会の約50人は、勝山発福井行きの一番電車で福井駅に午前6時27分に到着した。会長の和田高枝さん(77)は、専用高架の線路に入った時の電車の中の様子を「『ここからが新しい高架か』と歓声がわき起こった。みんな、車窓の風景を食い入るように見ていましたよ」と話していた。

 生まれ変わった福井駅舎の評価もおおむね高かった。ホームのある2階東側は全面ガラス張りで開放的な雰囲気を演出。1、2階とも内装に県産スギ材をふんだんに活用し、外観や柱は木質空間にマッチする赤茶のさび色で塗装されている。福井市の藤垣優輝さん(17)は「光が差し込み、木がたくさん使われているのでとても温かい感じ。秋の福井国体や北陸新幹線開業を控える中、全国に誇れる駅舎になった」と感想を述べた。

 ただ、2階ホームにベンチがなく「立ちっぱなし」との不満の声も一部聞かれた。えち鉄の担当者は「ラッシュ時の安全面を考慮して設置を控えている。今後の状況を見て判断したい」としている。

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