【越山若水】サッカーW杯は1次リーグこそが面白い。決勝トーナメントが始まっていないのにこう書くのはおかしいが、ロシア大会は番狂わせがいくつか起きているせいもあってか、以前から持つ印象が確信に変わった▼なぜなのか考えた。まず、各グループの星勘定に思いを巡らすだけでも楽しい。日本を含むH組は、まだ全チームにトーナメント進出の可能性がある▼例えだが、前評判が高かったコロンビアが残り2勝と仮定すれば日本は2分けでも突破できる。守備に自信のあるチームなら引き分け狙いもあり得る。さて日本はどう出る▼こんな空想のような予想を八つあるグループリーグの数だけ考えていられるのだ。興味の薄い向きにはあきれられそうだが同好の士なら「あるある」とうなずいてくれるのでは▼熱狂を呼ぶのは、勝ち星に限らない。引き分けを決定するゴールであっても、予選突破に意味を持つなら世界が大興奮することだってある。これも1次リーグならでは▼大会は、まだ始まったばかりだと思っていられるのも、気分良く観戦できる理由である。ひいきのチームが負けたとして、すぐに大会を去るわけでもない▼決勝トーナメントが始まってしまえば4年に1度の祭典は終盤へ向かう。その気分を「夏の終わり」と表したらよいのか、「休日の夕方」か。今のうち、少しでも熱戦を堪能しておきたい。

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