梅雨前線の活発化に伴う大雨で十九日午前零時十分ごろ、福井市の杉の木台団地で土砂崩れが発生、住宅が全壊し二人が死亡した。同市恐神町でも土砂災害が発生し、住宅損壊は五棟に上った。高浜町田ノ浦では午前十時ごろ、内外海半島東側を通る県道山肌のり面が崩れ、半島奥にある関西電力高浜原発や音海区が一時孤立。北陸道、国道8号は越前市などで通行止めとなり、本県は嶺北と嶺南が一時寸断された。

 福井南署によると、杉の木台団地西側斜面が幅六十メートル、高さ三十メートルにわたって崩落し、会社員の男性宅が全壊。二階部分まで土砂が流入し押しつぶされ、男性と母が行方不明となった。東隣の住宅一階部分にも土砂が流れ込んだが、この家の夫婦二人は無事だった。ほかに住宅一棟が一部損壊した。付近の約二百世帯が停電した。

 県は陸上自衛隊に災害派遣を要請。警察や消防などと二百人態勢で捜索活動に当たったが、隣接するLPガス貯蔵庫が土砂に埋まり、ガス漏れが発生した上、二次崩落が相次いだ。午前五時四十分から重機を使い、土砂搬出を開始したものの、作業は難航。午後六時十五分に哲也さん、同七時五十五分にチヨノさんの遺体を発見した。

 高浜町では県道ののり面が高さ二十メートル、幅百二十メートルにわたって崩壊。コンクリートブロックや大量の土砂が道路をふさいだため約一キロにわたって通行止めとなった。午後に音海—神野浦間に船便を確保、県小浜土木事務所が崩落現場脇の空き地に鉄板と砂利を敷くなど、う回路確保を急いでいる。

 土砂崩れではこのほか、福井市恐神町で民家の裏山が崩れて住宅二棟が全半壊。同市志津が丘二丁目でも高台ののり面が崩れ、八世帯が自主避難した。

 激しい雨で福井市の狐川と江端川では一部越水。越前市の吉野瀬川でははんらんする恐れが強まった。各地で土砂崩れの可能性も高まった。同日午後七時現在、福井市鮎川町、あわら市吉崎、越前市向ケ丘町、永平寺町松岡薬師で九世帯二十四人に避難勧告が出されたままになっている。

 北陸電力の発電用ダムを備えた福井市の武周ケ池では水位が上昇。池から水があふれ出る可能性があるとして、大味川への水の流出量を増やした。同河川の水位が上がるため、近くの住民に避難準備情報を出した。

 小中高校と大学などは九校が臨時休校、下校時間の繰り上げなどが相次いだ。

 福井地方気象台によると、十五日午後二時の降り始めから十九日午前十時までの総雨量は福井市など嶺北のほぼ全域で四○○ミリを超え、七月の平年値のほぼ二倍を記録した。大雨を降らせた梅雨前線は十九日昼前に本州南岸まで南下。本県地方は日中晴れ間ものぞいた。

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