1933年に昭和天皇に献上した際にスペアとして製作され、展示されている眼鏡=14日、福井市の西武福井店

 西武福井店(福井市)本館5階にあるメガネサロンで、昭和天皇への献上品として1930年代に増永眼鏡(本社福井市今市町)が製作した眼鏡のスペア3点が、24日まで展示されている。当時の最高水準の職人技が凝縮された逸品を間近に見ることができる。

 同サロンは、増永五左衛門(増永眼鏡創業者)が礎を築いた眼鏡産地を広くアピールしようと、県内メーカーのブランド品を前面に打ち出したリニューアルを実施。7月上旬の新装オープンに合わせ、同社が保管していた眼鏡を特別展示した。

 展示品は1933(昭和8)年、昭和天皇の福井行幸の際に献上された眼鏡のスペアとして製作された。丸形の枠はセルロイドとメタルを組み合わせ、つるの部分は耳に柔らかく巻き付く「縄手」の特殊加工が施してある。金でつるを加工したタイプ、べっ甲の鼻パッドを使ったタイプなどがあり、当時の高級素材と最高水準の技術が駆使されている。技術者は白装束に身を包んで献上品を製作したと伝わっているという。

 増永眼鏡の協力を得て今回の展示に携わった村井メガネ店(本店福井市大手3丁目)の村井勝会長(71)は「80年余り前、これほどの完成度と高精度で眼鏡が作られていたことに驚かされる逸品。職人の魂が凝縮されており、現代の消費者も技術者も温故知新のきっかけにしてもらえれば、うれしい」と話している。

 同サロンでは献上品の復刻モデルをはじめ、県内メーカーや欧州ブランドの眼鏡約600点を販売している。

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