内痔核の治療法について説明する飯田善郎医師=福井市の田中病院

 軽い症状を含めると、日本人の3人に1人が悩んでいると言われる痔(じ)。恥ずかしさから放置されがちだが、悪化すると生活の質(QOL)を大きく下げる。福井県内の専門医は「症状に応じた適切な治療を受けてほしい」とアドバイスする。

 痔には裂肛(切れ痔)や痔瘻(じろう)などさまざまな症状があり、その中で半数以上を占めるのが一般的に「いぼ痔」と呼ばれる痔核(じかく)。発生部位により内痔核、外痔核に分けられる。内痔核が外に出た状態が「脱肛」で、密かに悩む人は少なくない。

 内痔核は、排便時の息みの繰り返しや激しい下痢、力仕事や妊娠などが原因になる。たまに出血する1度、排便時に痔核が脱出するも自然に戻る2度、指で押し込まないと入らない3度、常に脱出したままの4度に分類される。

 1度、2度は座薬や軟膏(なんこう)で治療できるが、3度、4度になると手術する必要がある。術式には▽根元を輪ゴムで縛って血流を絶ち、壊死(えし)させて脱落を促す「輪ゴム結紮(けっさつ)術」▽痔核に薬を注射し小さく硬くする「硬化療法」▽痔核に血液を送る血管を縛り、切り取る「結紮切除術」▽脱出部分を肛門内に戻し、直腸粘膜を切除して縫合する「PPH法」—などがある。

 福井県済生会病院(福井市)で35年にわたって大腸と肛門を専門に診療し、定年後は同病院健診センターに勤務する傍ら、田中病院(同)で執刀を続ける飯田善郎医師(65)は「輪ゴム結紮術は入院の必要はないが、大きな患部には使えなかったり、結紮切除術は再発が少ない反面、入院期間が長かったりと、それぞれ長所と短所がある。医師と相談して自分に合った治療を選択してほしい」と話す。

 また、飯田医師によると、便潜血検査で陽性となったのに、痔が理由だと思い込み、大腸内視鏡検査を受けない人が少なくないという。内痔核の手術前に便潜血検査をして陽性となった患者は20%程度と低いことから、陽性の原因は別の疾患にあるとも考えられる。「痔を患っていても、大腸検査を受けてほしい」と呼び掛けている。

関連記事
あわせて読みたい