コメ新品種「ピカツンタ」の苗を手にする福井県立大の村井耕二教授(左)と三浦孝太郎准教授=6月20日、福井県勝山市北郷町森川

 福井県立大生物資源学部は、同大が開発したコメの新品種「ピカツンタ」を使った稲と小麦の二毛作実証試験に同県勝山市の農業法人と連携し取り組んでいる。6月20日には同市内でピカツンタの田植えを実施。今秋にも収穫し、収量、品質を検証した上で県内に広めたい考え。同大の村井耕二教授は「稲と小麦の二毛作が実現できれば穀物の収量アップにつながる」と期待している。

 県内での二毛作は小麦、大豆を収穫後に、ソバなどを栽培するのが一般的。稲小麦の二毛作は栽培時期が重なり困難だった。小麦の早生品種を活用しても、コメを植える時期が遅れコメの収量、質に課題があった。

 試験は、農地の有効活用へ「かつやまアグリ倶楽部」と同大が4年前から実施。同大が開発した早生小麦「ふくこむぎ」と早生のハナエチゼンで試みたが、ハナエチゼンの収量が少なく実用化は見送られてきた。

 今回着目したのは、同大開発の「福井県大水稲1号」を基に、安定して成育できるものを選抜したピカツンタ(品種登録申請中)。コシヒカリよりも粒がやや大きく、くず米が少ない。5月中旬に植えるコシヒカリよりさらに遅く植えてもくず米が増えず、収量が維持されるのを試験栽培で確認。二毛作に適しているとして、初めて大規模農地で実証試験することにした。

 この日は17日にふくこむぎの収穫を終えたばかりの勝山市北郷町森川の約30アールの農地にピカツンタの苗を植えた。同大の三浦孝太郎准教授によると9月下旬から10月上旬にかけて収穫。収量と品質をみて農法が実用化できるか検証する。「コシヒカリだとくず米ばかりになってしまうが、ピカツンタは涼しい時に実り食味にも期待できるはず」と話す。

 村井教授は「(小麦とコメといった)主食を同じ土地でつくるのは高度土地利用の最たるもの。北陸でできるようになれば全国のモデルケースになる」と今後の展開に期待している。

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