新聞を広げ、紙面構成を学ぶ福井信用金庫の新入職員=4月、福井県鯖江市のふくしん研修センター

 新聞を活用した社員教育、仕事の効率アップを図る「NIB(エヌアイビー)(ニュースペーパー・イン・ビジネス)」が福井県内外の企業で広がっている。ビジネスで欠かせないコミュニケーション力の向上や地域社会、経済の動向を的確に把握する情報源として新聞が有効であるとし、各企業は社員研修に読み方講座を導入するなど力を入れている。

 NIBは、NIE(教育に新聞を)のビジネス版。働く若い世代の活字離れが指摘される中、地域に密着したタイムリーな情報を幅広く提供する新聞を有効なビジネスツールとして、社員研修などで活用する企業が増えている。
 福井信用金庫(本店福井市)は10年ほど前から、新入職員研修で新聞を題材にした「1分間スピーチ」を実践。1カ月間の研修期間中、朝礼時に2、3人がその日の新聞で気になった記事を紹介し、自身の考えを発表している。

 小垣内勉研修課長(53)は最近の若者は情報収集をスマートフォンやインターネットに依存する傾向があると指摘する。その上で「地域の最新のニュースや話題が載っている新聞の情報は、お客さまとの会話の糸口になる」とし、最低限、自身が働く地域のニュース、福井の経済面、おくやみ面には目を通してほしいと話す。

 今年4月の新入職員研修では、福井新聞社のNIE担当者を講師に「新聞の読み方講座」も初めて開いた。新入職員は、本来の業務で覚えないといけないことも多いが、新聞を全て読んでいると数時間かかる。講座では▽見出しだけを追う▽記事スペースでニュースの重要度を判断する—などの内容を盛り込んで、短時間に必要な情報を得る方法を学ぶことで、毎日、新聞に目を通す習慣を定着させる狙いがある。

 講座の参加者からは「営業活動では年配の方と話す機会が多く、新聞は大事なビジネスツールと感じた」「新聞は情報が整理され、分かりやすく読みやすい」といった声が聞かれた。

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 大手企業でもNIBの取り組みは盛んだ。ファミリーレストランの「ガスト」を展開する外食大手「すかいらーく」(本社東京)は、本年度の新入社員研修で、新聞を読んで感想を話し合うプログラムを初めて設けた。

 約120人の研修参加者は5、6人の班ごとに、自社の事業や外食産業に影響があると思われる記事を切り抜き、模造紙にコメントを添えて張り出した。

 人財本部人財企画グループの織部始さん(47)は「世の中の動きを知り、視野を広げていくために継続的な新聞購読は効果的」とする。

 カジュアル衣料品店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリング(本社山口市)の寺師靖之・グループ執行役員は、昨年東京で開かれた日本新聞協会主催の教育フォーラムで、ユニクロの国内約850店舗の店長に新聞を配布していることを紹介した。店舗責任者として地域の情報を得ることに加え、読者に伝えたいことから順番に書いていくニュース記事は「相手に分かりやすく話を伝える力を育む訓練にもなる」と強調した。

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