北陸高校女子バレーボール部員からレシーブのこつを学ぶFSV-DWの選手(青いユニホーム)=福井県福井市の県社会福祉センター体育館

 障害の有無を超えて、若者がともに汗を流す。声掛けや身ぶりで思いを伝え、技と心を高め合う。福井しあわせ元気国体・大会(全国障害者スポーツ大会=障スポ)まで、6月21日であと100日。福井県内でスポーツを通じた融合の光景が着実に広がっている。

 6月上旬、福井市内の体育館で障スポのバレーボール(身体)女子の福井県代表チーム「FSV-DW」と、北陸高校女子バレー部が顔を合わせ、選手同士で練習方法を話し合った。

 「サーブレシーブが弱点。うまくボールがつながるよう教えてください」。バレー初心者の多いチームをまとめるFSV―DW主将の丸山彩香さん(22)が提案すると、北陸高の部員が「1、2、3、4、5」と声を合わせ、こつをアドバイスした。ボールの軌道を見ながら構え、「5」のタイミングで返せるよう、手本を見せながら一人一人に丁寧にコーチした。

 聴覚障害のある選手は補聴器をつけているものの、全ての会話をはっきり聞き取ることが難しい。北陸高の部員は手話や筆談をせず、会話のテンポを少し遅らせ一言一言分かりやすく伝えた。FSV―DWの選手は、唇の動きなどで意味を理解した。

 FSV―DWの玉本憲司監督は「お互いが理解できるように自分たちで考えて意思疎通し、人と接する方法を学んでほしい」と期待する。

 北陸高の河合香織監督は、障害がなくてもスマートフォンの普及により若者のコミュニケーションが下手になったと指摘する。「言葉のキャッチボールで問題を解決するのが会話。人それぞれ個性や考え方の違いがあり、苦手(不自由)な部分もある。それに気付き人間性を高めれば、バレーの技術も上がる」と部員に説いた。

 障スポのバスケットボール(知的)女子の福井県代表チーム「フクイサンダーズ」は、県立大女子バスケットボール部員らと練習している。「ファイトー」「ナイスシュート」「もう一本」などと互いに声を掛け合う。

 フクイサンダーズはバスケットボール未経験者ばかり。月田光宣監督は「基礎がしっかりできている学生は模範になり助かる。いいプレーをどんどんまねて吸収してほしい」と話す。主将の山下彩花さん(18)は「初対面の学生もいて、知らない県外チームと対戦する障スポの練習になる」と笑顔をみせた。

 福井県立大学主将の達彩音さん(20)は「(フクイサンダーズは)練習に積極的で、来るたびにうまくなっている」と汗をぬぐい、「(障スポで)優勝して」とエールを送った。

 レベルの違いや障害の有無に関わらず同じスポーツに打ち込む姿に、県内のスポーツ関係者は「障スポ本番に向け思いがつながっている」と歓迎。「融合のムードが大会後も続き、もっと広まれば」と期待を膨らませた。

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