許可量の十三倍を超えるごみが持ち込まれた福井県敦賀市樫曲の民間最終処分場問題で、県と市は四日、抜本的な漏水防止、ごみの浄化対策を施す行政代執行に着手した。処分場内で水質モニタリング調査を実施し、年度内に約百一億円にのぼる恒久対策工事の実施設計を策定、来年度着工する。

 県と市は五月、事業者のキンキクリーンセンター(同市元町)と役員の板谷治彦社長ら六人に、汚水の漏えい対策などを求める措置命令をそれぞれ出したが、着手期限までに従わなかったため、代執行に踏み切った。

 この日は県と市、業者合わせて二十二人が処分場内に立ち入り、県が管理する浸出液処理施設前で、県廃棄物対策課の城越芳博課長、市の澤口進市民生活部長がそれぞれ代執行開始宣言文を読み上げた。

 対策工事による周辺環境への影響、効果を確認するための水質モニタリング調査として、遮水壁で食い止めた水と処分場内の保有水を七地点で採取した。六日までに木ノ芽川など合わせて十九地点で水質を調べる。モニタリング調査は、水質を年四回、ガスを年二回実施する。地下水位と合わせた調査地点は三十九カ所にのぼる。

 県はこれまでに、水処理施設の維持管理や覆土など三回の行政代執行を行っている。敦賀市は初の代執行。

 同処分場の恒久対策工事は今年三月、産業廃棄物特別措置法の適用を受けた。事業費は維持管理費を含め約百一億で、負担割合は国が約三十九億九百万円、県が四十二億四千万円、市が約二十億三千七百円。市は負担分の三分の二を一般廃棄物を搬入した全国の六十団体に求める。

 漏水対策は処分場の周囲すべてに遮水壁を設置。地下水の流入を阻むと同時に木ノ芽川への汚水流入を防ぐ。処分場の表面はアスファルトや遮水シートで覆い、雨水の浸透を抑制。水と空気を注入し、ごみの浄化を促進する。

 処分場でのボーリング調査を元に実施設計を行い、来年度着工する。二○一○年度までに工事を終える予定。

 県と市によると、事業者から「抜本策に着手できない」とする文書が五月末届いたという。

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