「バナナペーパー」のプロジェクトが紹介されている2017年度用の高校英語の教科書

 福井県越前市の和紙製造会社2社が参加し、アフリカのバナナの茎から和紙を作るプロジェクトが、2017年度から使われる高校の英語教科書に取り上げられる。貧しい農村に雇用を生み出し、環境保全や貧困改善にも貢献する取り組みとして紹介される。

 プロジェクトは、国際貢献の一環として、東京の企業経営者の発案で2011年に始まった。子どもの貧困や環境破壊が深刻なアフリカ・ザンビアで盛んに栽培されているバナナの茎の繊維を有効利用し和紙を製造する。

 東京の紙製品メーカーなど十数社が協議会をつくり、普及を支援。和紙製造販売の小畑製紙所(越前市大滝町)や瀧(同市岩本町)が製造を担っている。和紙は少し黄色がかった温かみのある風合いが特徴で、ノートや名刺用などとして販売されている。

 教科書業界最大手の東京書籍(東京)がこの取り組みに着目。高校1年の英語教科書「パワーオン コミュニケーションI」で10ページを使って、「日本の技術がバナナの茎を廃棄物から持続可能な資源へと変えた」と、収穫などの写真を交えて紹介している。

 また、プロジェクトによって現地で雇用が生まれ、お金を得るために野生動物を密猟する必要がなくなったり、子どもが学校へ通えるようになったりしたとし「日本の技術で作られるバナナペーパーが地元の人々を幸せにしている」と記している。

 小畑製紙所の小畑明弘社長は「教科書を通して、環境保護や途上国への支援など、世界のさまざまな問題に理解を深めてもらいたい」、瀧の滝道生社長は「ザンビアの子どもたちは識字率も低いと聞く。教育水準の向上へ越前和紙の技術で少しでもお手伝いができれば」と話している。

 東京書籍の編集担当者は「身近な紙を出発点にして、世界が抱える問題や、その解決のために日本の伝統的な知恵や技術が役立っていることを、生徒たちに知ってほしい」としている。

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