福井市のショッピングセンター・パリオシティに設置された期日前投票所。公共施設以外への設置は、福井市のみにとどまっている=23日

 参院選の期日前投票所は、期間限定の場所を含め福井県内では45カ所となった。福井市選管は、商業施設と大学計7カ所を新設。キャンパス内の期日前投票所は県内初の試みで、商業施設も国政選挙では県内初だ。ただ、こうした公共施設以外での期日前投票所設置は同市選管のみで、ほかの市町選管は様子見ムード。18歳選挙権のスタートもあり、投票環境の向上は課題だが「普段の生活の中で、ついでに投票」という壁は思いのほか高いようだ。

 福井市選管は昨年12月の市長選で、期日前投票所を市内ショッピングセンター3カ所(ベル、エルパ、アピタ福井店)に設置した。全10カ所のうち投票数トップ3を独占し、期日前投票全体の58・10%に当たる1万3612票が投じられた。好評だったことから今回は、3カ所に加え西武福井店とパリオシティを追加。一方で公共施設2カ所の期日前投票所を減らした。

 さらに福井大と福井工大のキャンパス内にも、7月6日から3日間の期間限定で設ける。投票できる学生は住民票が市内にある人のみで、同市選管の吉田修二事務局長は「実際、どれくらいの学生が投票できる環境なのかは分からない」という。ただ、「18歳選挙権が始まる節目でもあり、若い人の投票環境を少しでも良くしたい」と意義を強調した。

 一方で他の市町は動きは少ない。SCや大学キャンパスが点在する越前市の選管担当者は「施設側の都合がある上、費用対効果の問題もある」と明かす。期日前投票所には1カ所当たり7人程度を配置しなければならず、システム改修も必要。「貴重な税金を使う以上、無駄遣いはできない」と述べ、まずは啓発に力を入れる考えだ。

 大学キャンパスが2カ所ある永平寺町選管も「キャンパス内に必ず必要なものではない。可能性は検討はしたが、これまでと同じ(公共施設の)3カ所でいくことにした」。他の市町の検討状況を見ながら、今後の対応を決めるという。

 県選管の尼形敏紀書記長は「費用対効果、職員確保といった問題がある上、衆参同日選の観測もあったため、市町の選管は従来の制度を大きくは変えられなかっただろう」とみる。一度設置して次回設置しないというのは難しく、急な衆院解散でも使える場所が必要との制約もネックという。

 総務省の「投票環境の向上方策等に関する研究会」が昨年3月にまとめた中間報告には、商業施設などへの期日前投票所の配置について「多くの有権者の目に触れること自体、一定の啓発効果がある」として、取り組みを広げる必要性に言及している。

 鯖江市選管は今回の参院選では見送ったものの、商業施設への期日前投票所に前向きだ。「投票の利便性を高め、投票率向上に努める」(担当者)として、10月の市長選では商業施設1カ所に設置することにしている。

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