福井県が運転再開を了承している同県美浜町の美浜原発3号機について、関西電力は二十七日、再開時期を九月以降とすることを明らかにした。試験起動を行った後に停止し、再度本格運転する手順で、慎重に安全性を確認する方針。当初予定では点検や準備作業などを終えれば、七月中にも再開が可能とみられていたが、十一人の死傷者を出した同原発の事故から丸二年となる八月中の再開は、遺族らの心情を配慮し避けることにした。

 同日、関電が公表した同原発に関する今後の工程表で示した。現在は炉内構造物にさびが出ていないかや清掃など点検作業を行っており、七月中ごろには終了する予定だった。しかし、遺族の意向を踏まえると同時に、より入念に確認するため点検作業を八月中旬まで延長することにした。

 点検後に行う燃料装荷など再開に向けた準備作業についても現在、時期や確認項目を調整中としている。原子炉冷却系統配管の使用前検査などのほか、各機器の取り換えを行ったことで、配管内の洗浄など必要な点検項目が増え、当初予定の三週間よりは延びる見込みとしている。

 これらの工程すべてが終わるのが九月以降で、長期間停止していることから、まず試験起動を実施。出力を100%まで上げて発電した後に、いったん停止してプラント全体の点検を行う。

 その後に行う本格運転に向けた作業の進め方に関電は「停止後の点検結果を踏まえ、あらためて検討する」としている。既に遺族らに対してはこうした手順について説明しているという。

 関電では一九九四年に蒸気発生器の細管破断事故を起こした美浜原発2号機で、同発生器を取り換えた後、同様の手順をとっている。この際には試験起動を二十五日間行った後、十三日間停止し本格運転を再開した。

 美浜3号機の運転再開時期について、関電の森詳介社長は「遺族に対して誠心誠意対応し、意向に沿わないことはしない」と遺族側に配慮する考えを示していた。

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