手を合わせ返納した免許を供養する住職=21日、福井市鮎川町の願生寺

 高齢者の自動車運転免許の自主返納を促そうと、福井南署などは21日、福井県内で初めて「1日自主返納出張窓口」を福井市鮎川町の願生寺に開設した。住職が読経する「免許供養」も行い、返納者が神妙な面持ちで手を合わせ、長年持ち歩いた免許証に感謝の気持ちをささげた。

 返納窓口から遠い地域の住民に便宜を図るため、同署と福井南交通安全協会、福井市地域交通課が主催。免許供養は、信仰の厚い高齢者が愛着ある免許を手放すきっかけにしてもらおうと企画した。

 事前に同署に託された免許や当日、寺に持ち込まれた免許を並べ、出見隆文住職(70)が「阿弥陀(あみだ)経」を上げて供養した。「もう年もいったし返納する」と寺を訪れた刀上みや子さん(85)=同市=は「けがも事故もなく長いことバイクに乗せてもらった。敦賀や武生、三国へ飛んで歩いて楽しかった。ありがとうございます」と手を合わせていた。

 江戸義朗署長は「出張窓口で利便性向上につなげるとともに、愛着を持たれている免許を手厚く供養することで返納を迷っている方の背中を押す一助になれば。返納の“風”が県内や全国に広がることを願っている」と話していた。同署では引き続き、他の遠隔地や、通常は受け付けていない土日や祝日に開設することも検討している。

 県警によると5月末現在、交通事故死者は24人(前年同期比11人増)で、このうち65歳以上の高齢運転者が第一当事者の死亡事故は9件(同4件増)となっている。

関連記事
あわせて読みたい