福井市で猛暑日となり、道路上に現れた逃げ水とかげろう。地球温暖化が最も進んだ場合、福井市の猛暑日が約40日増えると予測されている=2017年7月、福井県福井市順化1丁目

 21世紀末、福井が鹿児島並みの暑さに―。気象庁の「地球温暖化予測情報」最新版を基に、福井地方気象台がこんな予測を発表した。温暖化が最も進行した場合、福井県の年平均気温が現在よりも約4度上昇、猛暑日が約40日増えるという。農業や生態系に大きく影響し、健康被害も懸念されるとして、同気象台は各家庭で温暖化防止に取り組むよう呼び掛けている。

 同気象台によると、現在の福井市の年平均気温は14・5度で4度上昇すると18・5度になり、現在の鹿児島市の18・6度と同程度になる。最高気温が35度以上の猛暑日は福井市では昨年1年間で8日だけだったが、約40日増加し春や秋にも厳しい暑さに見舞われる可能性がある。

 最高気温が30度以上の真夏日は昨年の58日から約60日増える見通しで、年間の3分の1近くに達するとみられる。夏場以外にも熱中症など体調を崩す人が出る恐れがある。

 急激な気温上昇は県内の動植物にも影響を及ぼす。県自然保護センターなどによると、タカネマツムシソウやハクサンイチゲなど「県レッドデータブック」に掲載されている希少な高山植物175種が県内で見られなくなる可能性がある。昆虫類も三ノ峰周辺で見られるベニヒカゲなど数種が県内で絶滅する恐れがある。農作物では、特に水稲で米粒が白く濁る乳白米が増え、等級が低下しかねない。

 雨の降り方も変わる。県内で昨年は南越前町今庄で1度観測されただけだった、1時間に50ミリ以上の「滝のように降る雨」のリスクが3倍になる。逆に、福井市で昨年109日あった雨や雪が降らない無降水日も15日ほど増えるという。同気象台は急な大雨による土砂災害や水不足のリスクが増大するとしている。

 福井地方気象台は温暖化対策が急務として、冷暖房に頼らない生活や電化製品の主電源をこまめに切るなど、家庭でできる対策の実践を促している。

■21世紀末の福井県の気候
 ▪年平均気温が約4度上昇
 ▪猛暑日が約40日増加
 ▪滝のような雨のリスク3倍
 ▪無降水日が約15日増加
※最も温暖化が進んだ場合

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