岡本拓夫教授(左)ら9人の研究者が防災や減災に関する取り組みの成果を報告した講演会=6月15日、福井県福井市の県工業技術センター

 福井地震から70年に合わせ、福井にゆかりのある防災・地震関連の研究者9人が一堂に会した講演会が6月15日、福井県福井市の県工業技術センターで開かれた。教育や資料保存、避難所運営などに関する研究や取り組みの成果を紹介。約3800人が犠牲となった福井地震の教訓を踏まえ、さまざまな観点から防災や減災を考えた。

 福井県内在住・出身の研究者や福井をテーマにしている研究者でつくる「福井地震防災研究会」が主催。同研究会は約15年前から定期的に会合を開いており、今回は幅広い層に研究成果を知ってもらおうと企画した。

 福井高専の岡本拓夫教授は「高校・高専での地震研究を地域防災に活かす試み」と題して講演した。岡本教授は、文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定されている武生高の生徒が取り組んだ鯖江断層の調査研究などを報告。「地震研究、防災教育の大切さを多くの人に知ってもらいたい。(地震研究者の)人材育成にもつなげたい」と話した。

 福井工大の竹田周平教授は「福井における新しい防災教育の取り組み」と題し、障害物を設置した避難訓練などを行っている県内小学校の事例を紹介。「最も大事なことは生き延びること」と強調し、子どもたちが主体的に考える訓練の必要性を指摘した。

 20年にわたり福井地震の写真などの資料をデジタルアーカイブ(保存)している福井高専の吉田雅穂教授は「実体験を語れる人が減り続けている。教訓を後世に継承していく必要がある」と取り組みの意義を述べた。

 災害時の避難所運営について報告した日本経済大大学院の仲間妙子特任教授=福井県南越前町出身=は「災害発生時は混乱する。地域性を加味したマニュアルが不可欠」とし、平時の訓練の必要性を訴えた。

 津波被害や地盤の研究発表もあった。会場には県や市町の防災担当者、大学の研究者、建設業者ら約100人が訪れ、熱心に耳を傾けた。

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