稲田自民党政調会長vs枝野民進党幹事長 街頭演説

 22日公示の参院選が事実上スタートし、初の週末となった4、5日には、自民党の稲田朋美政調会長と民進党の枝野幸男幹事長が福井県内でそれぞれ街頭演説した。アベノミクスや安全保障関連法などを巡って激しい舌戦を展開。自公候補対野党統一候補の対決構図も浮き彫りになった。両者の訴えを分析した。

 ■稲田自民党政調会長 安定政権で政策継続

 稲田氏は5日、党本部の全国一斉行動の一環として福井、大野両市でマイクを握った。福井市ではまず、街頭演説のテーマ「拉致問題」から切り出した。「わが国の同胞が北朝鮮に拉致され、いまだに帰ることができない。日本の主権を侵害する重大な問題であり、今後も政府一丸となって取り組む」と約束した。

 民進党と共産党に対する批判のボルテージも上げた。「(全国32の)1人区は大変な苦戦、接戦になる。民進党が共産党と組み、自公政権にかかってくるからだ」と強調。「共産党は自衛隊の廃止と日米安全保障条約の破棄を主張している政党。選挙に勝つためだけに共産党と手を組む民進党に、この国の将来を任せるわけにはいかない」と力を込めた。野党統一候補が廃止を訴える安保関連法について「日米安保条約が強化され、東シナ海、東アジア、太平洋地域の平和と安定、抑止力が高まった」と訴えた。

 憲法改正にも触れ「長妻民進党代表代行が、安倍政権は憲法改正しようとしていると批判した。しかし民進党は憲法を改正したいのか、したくないのか、何一つ具体的に語れない政党だ」と批判した。
 最後に、消費増税先送りで争点となったアベノミクスについて「安倍政権の経済政策は決して間違っていない。企業収益は過去最高になり、有効求人倍率も上がった。個人消費を伸ばし、経済を力強く前に進めるために秋には経済対策を大胆に打っていく」と主張。「安定した政権を続けることが、明るい兆しの見えてきた日本経済をしっかりとしたものにする。この道しかない」と語気を強めた。

 ■枝野民進党幹事長 子育て、年金立て直す

 枝野氏は4日、勝山市で野党統一候補とともに街頭演説した。安倍政権批判から切り出し、保守政治とは何かを問い掛けた。「日本と古里のいいものを壊しているのが安倍政権なのに、守っているんだと勘違いしている人がたくさんいる」と力を込めた。

 3月に施行された安保関連法を念頭に「争いを武力ではなく、円満に話し合いで解決するのが日本の伝統なのに、安倍首相や稲田自民党政調会長がやっていることはあべこべだ。これのどこが保守なのか」と疑問を呈した。

 安倍政権の特色を「弱肉強食、競争万能、自己責任の強調」と指摘。「競争社会は必要だし、海外のいいものを取り入れるのは結構。だが社会に必要なのは、私たちが長年積み重ねてきた支え合いと助け合いだ。安倍政権が壊した日本のこの古き良き伝統を国全体の仕組みの中で取り戻すことが大事だ」と訴えた。

 アベノミクスにも批判の矛先を向けた。「正社員が減り、子どもを産み育てたいのにサポートが十分でないためにあきらめている人がたくさんいる」。経済政策の対案として、子育て支援の充実や雇用の安定、医療と介護、年金の立て直しを訴え「これらは景気対策でもある。遠回りのようだが、日本の経済と社会を立て直す王道だ」とした。

 締めくくりにこう呼び掛けた。「福井は自民党王国と呼ばれている。でも全国を回ると自民党が強い地方こそ、農業や地域社会が破壊され、切り捨てられていることに強い不信と不安を持っている。ぎりぎり限界まできている。支え合いと助け合いの『共生社会』をもう一度つくろう」

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