福井工大―愛媛大 完投で勝利した福井工大・谷崎=東京ドーム

 第65回全日本大学野球選手権は6日開幕し、神宮球場と東京ドームで1回戦7試合を行った。6年連続で最多39度目出場の福井工大(北陸)は、1回戦で2年連続4度目の愛媛大(四国)を4−1で破り、2年ぶりに初戦突破。中央学院大(千葉)や立命大(関西)、初出場の中京学院大(東海)なども2回戦へ進んだ。

 大会は全国各連盟代表の27チームが出場し、12日までトーナメントで争う。福井工大は大会第3日の8日、東京ドームの第2試合(午前11時半試合開始予定)で上武大(関甲新)と2回戦を戦う。

 【評】福井工大の先発エース谷崎が毎回の11奪三振、1失点の力投。打線も12安打を放ち、競り勝った。

 谷崎は1点リードの三回、三塁打と四球で無死一、三塁とされ、適時打を浴びて同点に追い付かれた。四回以降は尻上がりに調子を上げ、二塁すら踏ませない快投。反撃の糸口を与えなかった。

 打線は初回、先頭樋口の二塁打や犠打で1死三塁とし、大瀧の遊ゴロで先制。同点の四回は、先頭笹岡の二塁打と犠打で1死三塁とし、島田のバント安打で勝ち越した。2点リードの九回には、代打平田の安打や二つの敵失で得点し、ダメを押した。

 遅咲きのエース

 九回2死、マウンドには身長192センチのエース右腕谷崎。133球目。捕手鈴木のミットに吸い込まれるように、144キロの速球を外角低めに投げ切った。見逃し三振。この日11個目の三振で全国デビューを派手に締めくくった。

 2年生エースは序盤、想像以上に緊張していた。「決めに行くところで力が入りすぎた」。自慢の制球が定まらず、三回には1点を失い、同点に追い付かれた。

 「捕手と相談して、まっすぐ中心から変化球主体に配球を変えた」。四回。ここから、今春のリーグ戦無傷の7勝を誇る右腕が目覚めた。

 120キロ台のカーブを効果的に織り交ぜ、面白いようにバットの空を切らせた。ピンチらしいピンチは六回ぐらい。内野安打で1死一塁と走者を背負ったが、後続をカットボールで投ゴロ併殺。終わって見れば散発4安打、毎回の11奪三振で完投してみせた。

 福井市出身。6歳上の兄にあこがれ、野球を始めた。中学卒業時にはすでに身長190センチと恵まれた体格。が、中高時代はけがに泣いた。福井工大福井高での公式戦登板は、最後の夏の1回戦でわずか2回のみだった。

 転機は大学入学後。筋トレや食トレに励み、体重を10キロ近く増やし「球に勢いが出てきた」。抜群の制球力も身に付け、エースとして全日本選手権切符をつかむ原動力になった。

 チームを2年ぶりの初戦突破に導いた“遅咲きのエース”は「4年生と一日でも長く野球がしたかった。東京ドームで完投できたのは、今まで努力してきたご褒美かな」と笑ってはなをすすった。

関連記事
あわせて読みたい