福井市出身の前衛書家で、奎星会名誉会長の稲村雲洞さん(81)=東京都在住=が六日、永平寺町の大本山永平寺に書の大額を奉納した。四月に開祖・道元禅師ゆかりの中国浙江省寧波市の天童寺を訪れて揮ごうした大作で、吉祥閣大講堂に常設される。

 奉納したのは横四・八メートル、縦一・五メートルの越前和紙に「喜悦心」と大書し額装した作品。同寺で二○○八年に催される三世徹通禅師の七百回御遠忌の記念に、稲村さんが寄贈した。

 大講堂の壁に掲げられた作品を稲村さんと森嶺雄監院が除幕し、全国から訪れた奎星会会員や福井師範学校時代の同級生ら約八十人が拍手を送った。

 稲村さんは「この書は明鏡止水の気持ちで、緊張せずに書くことができた。かかわってくれたすべての人に感謝したい」と述べた。この日は一年前に亡くなった妻露子さんの命日でもあり、奉納を終え「家内も喜んでくれるだろう」と、目を潤ませる場面もあった。

 永平寺を代表して森監院が「全山を挙げて敬意と感謝を申し上げる。今日こそ喜悦の日ではなかろうか」と謝意を述べ、感謝状を贈った。

 稲村さんはライフワークにしている般若心経を書き込んだ石や竹、陶板なども寄贈した。

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