禁煙外来受診希望者が最初に参加する禁煙教室=福井市の福井県済生会病院

 5月31日〜6月6日は禁煙週間。今春の診療報酬改定で、34歳以下の禁煙治療の保険適用条件が緩和された。10年にわたって医師や看護師、保健師らによるチーム体制で禁煙治療に取り組む福井県済生会病院(福井市)の小林弘明呼吸器外科部長は「吸い始めてから年月がたっていない人の方がやめやすく、使う薬の量も割と少なめでうまくいく。病気になってしまってからでは遅い」と若年層での治療を呼び掛けている。

 ■成功率に差

 ニコチン依存症患者の禁煙治療の保険適用には(1)ニコチン依存症と診断されている(2)1日の本数×喫煙年数が200以上である(3)直ちに禁煙を希望し、標準手順書にのっとった禁煙治療に文書で同意している—の三つが条件。

 (2)の条件は、1日1箱(20本)とすれば10年間喫煙していないと対象にならないが、4月からこの条件は35歳以上に限られ、34歳以下は200以上でなくても保険が適用されるようになった。

 小林部長は「医療機関を受診して補助薬を使うのと使わないのとでは成功率に差が出る。やめようと思っていても、保険がきかないからといって受診せず吸い続けてしまうケースがある」と今回の改正による効果を語る。

 ■2カ月のたばこ代

 「煙には200種類以上の有害物質、40種類以上の発がん性物質が含まれる」「10〜15年老化が早まる」「たばこで解消されるのはニコチン切れのストレスだけ」「ニコチン含有量の少ないたばこも節煙もほとんど意味がない」

 禁煙希望者が同病院の禁煙外来を受診する前に臨む「禁煙教室」では、専門医らがさまざまなデータを用いながらたばこの害や治療プロセスなどを紹介する。外来では診察だけでなく、看護師による面談・指導にも力を入れ、禁煙に失敗した患者にはその原因を探るなど、一人一人に合った治療を行っている。

 同外来はこれまでに約2千人が受診。昨年度の受診者は136人で、このうち34歳以下は15人と少ない。5月に教室に参加した喫煙歴4年の大野市の会社員男性(24)は「サッカーをしていて胸が痛くなったり、身体がだるくなったりする感じがあり、たばこをやめなければならないと痛感した。保険適用条件緩和はありがたい」と話す。

 製薬会社が14年に行った調査によると、福井県の喫煙者の禁煙挑戦率は22%と全国で2番目に低い。禁煙治療に保険が使えることも知らない人も多いという。小林部長は「40歳以上の喫煙者の半数は肺気腫にかかっているとみられており、そのほかさまざまな病気になるリスクがある。保険適用で2カ月ほどのたばこ代で禁煙ができる計算なので、若い人たちに取り組んでほしい」と話している。

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