7月から石川県加賀市民へ貸し出しを始める福井県のあわら市芦原図書館=3日

 福井県あわら市と、石川県加賀市の図書館は7月5日、県境を越えて双方の市民に図書を貸し出す事業をスタートさせる。福井県では隣県市民への図書の貸し出しは初めて。両市は昨春、県境の吉崎地区に「越前加賀県境の館」を建設するなど連携を進めている。両市の図書館長らは協定により市民の利便性が高まるとともに、県をまたいだ交流の広がりを期待している。

 相互貸し出しを行うのは、あわら市の芦原図書館と金津図書館、加賀市の中央図書館と山中図書館の計4図書館。

 両市には吉崎御坊や旧北陸街道など、県境をまたいだ歴史や文化がある。両市の図書館には以前から吉崎御坊の資料を請求する人や生活圏が隣県にまたぐ市民から、相互利用の要望があった。

 ことし4月に加賀市中央図書館が芦原図書館に相互貸し出しを提案。あわら市は約6年前に坂井市4図書館と同様の協定を結んだ経験もあり快諾し、準備を進めてきた。

 利用者は居住する市の利用カードと身分証明書を隣接市の図書館に提示して利用カードを作ることで、借りられるようになる。

 蔵書数は芦原図書館は約7万2千冊、金津図書館は約8万4千冊、中央図書館は約22万1千冊、山中図書館は約7万7千冊。7月5日に中央図書館で協定調印式を行う。

 県境を越えた図書館の相互貸し出しは京都市と大津市、兵庫県豊岡市と京都府京丹後市などがあるが、日本図書館協会(東京)によると数は少ないという。

 芦原図書館の小林孝男館長は「利用者の希望に応えることができてうれしい」と話し、中央図書館の前野千恵子館長は「資料を活用して互いの市の歴史や文化に関心を深めてもらい、足を運ぶきっかけになれば」と期待していた。

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