医療器具をはじめとする共同受注について、生産などの進み具合を話し合うチタンクリエーター福井のメンバー=福井県鯖江市内

 眼鏡に関わる福井県内チタン加工関連業者7社でつくる企業グループ「チタンクリエーター福井」が、医療器具の受託製造で量産を始めた。眼鏡枠に使われるチタンの加工技術に特化して受注・生産しようと結成して8年目。医療分野への本格参入によって安定した販路を確保しながら、さらに共同受注の拡大を目指している。

 同グループは2008年10月に福井県鯖江市5社、福井市2社の計7社で結成。チタンの▽素材調達▽引きのばすスウェージング▽切削▽熱さずに行う冷間プレス▽曲げ▽接合▽表面処理—などの各工程を1社ずつ担当している。各社とも眼鏡部品を主力事業としているが、それぞれの得意分野を他分野に応用しようと、展示会への出展やホームページなどを通じて情報発信し、受注拡大を図っている。

 グループの窓口となっている眼鏡資材商社のニッセイ(本社鯖江市田所町)によると、県外の大手医療機器メーカーから商談が持ち込まれたのが約4年前。体内に埋め込んで骨を固定する整形外科向けのチタン製インプラント部品で、開発段階から携わる初めてのケースとなり、試作を重ねて15年1月から製造を開始。異なる形状やサイズの部品の受注も徐々に増え、量産体制が本格化した。

 医療機器は安全性を確保する法的規制などにより、製品供給までのハードルは高いものの一度受注すると長期間、安定した受注を確保できる。同グループではアクセサリーや機械部品なども受注しているが、医療分野参入が下支えとなり、年間売上高は発足当初の4〜5倍の数千万円規模になった。発注元からは「海外製造の部品よりも精度が高く、品質管理しやすい」との評価を得ているという。

 発足当初から毎週1回会合を開き、受注や生産の進行状況の確認が続く。「切削」を担当する西村金属(本社鯖江市丸山町3丁目)の坪内義久営業・第三製造部課長は「各工程の専門家が集まっており、見積もりや問い合わせに対してスピード感のある対応ができるのが企業集団の強み」と説明。

 本年度の会長を務めるニッセイの酒井朋樹マテリアル部次長は、年間売上高を5年以内に1億円にする目標を掲げた上で「産地の技術力を生かして医療分野の受注を増やすとともに、他分野の最終製品の生産・販売も視野に入れて活動していきたい」と話している。

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