犯行状況や争点明快

検察 スクリーン使い陳述

用語解説する場面も

 福井地裁で一日、県内で初めて「公判前整理手続き」が適用された裁判の初公判が開かれた。分かりやすい刑事裁判を目指そうと、検察側は投影スクリーンなどを用いて冒頭陳述を”ビジュアル化”。犯行状況を生々しく再現したり、難解な専門用語もほぼ姿を消すなど、三年後に始まる「裁判員裁判」を先取りした公判となった。

 審理は午前九時半に始まった。人定質問、起訴状朗読、罪状認否と通常通りの手続き後、検察側が事件概要を述べる冒頭陳述があった。

 検察側はプロジェクターとスクリーンを使い、事件にかかわる人物関係を示した図や、犯行現場の見取り図を映して、犯行経緯を説明。「殺意とは相手が死んでしまうかもしれない、それでもかまわないという気持ちのこと」と用語を解説する場面もあった。

 証拠調べでは、凶器の包丁の長さ測定や、被告がどのように包丁で刺したのか、被害者自身による包丁の模型での再現などがあった。調書読み上げが淡々と進められていたこれまでの公判では見られなかった光景が繰り広げられた。

 開廷時間は通常二時間程度だが、この日は午後も証人尋問があり、午後四時五十分までみっちり審理が進められた。

 法廷には法曹関係者や報道陣が詰め掛け、五十六席の傍聴席はほぼ埋まり、関心の高さをうかがわせた。また福井地検が初めて募集した「検察モニター」六人が傍聴。福井市の女性(42)は「難しい専門用語がなく、誰が傍聴しても理解できる内容だったと思う。スクリーンを用いたのはよかった」と話していた。

 福井地検の西谷隆次席検事は「犯行状況を分かりやすく説明できたと思う。検察モニターの意見を取り入れながら改善すべき点があれば見直していきたい」と話した。事件を担当した北川稔・国選弁護人は「どこが争点なのか傍聴者も分かる公判だった。検察側の冒頭陳述は裁判員裁判を意識したものだろうが、ビジュアル化によって検察側の主張が事実でなくても事実だと思われてしまわないか不安」と話していた。

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