奇跡の一本松の苗木を職員に手渡す澤田半壽郎さん(右から2人目)=26日、福井県鯖江市の鯖江市役所

 東日本大震災の津波に耐えた「奇跡の一本松」の松ぼっくりを持ち帰り育てていた福井県鯖江市の澤田半壽郎さん(73)の苗木が岩手県陸前高田市に届けられることになり、澤田さんが26日、現地へ届ける鯖江市職員に苗木を託した。

 澤田さんは2011年7月、復興支援ボランティアとして陸前高田市入り。一本松を見に行った際、趣味のクラフト工作の材料にしようと根元に落ちていた松ぼっくりを約50個持ち帰った。

 26日、鯖江市役所に澤田さんと水やりなどを手伝った神明小の児童2人が訪れ、土のう袋や鉢に入れた苗木33本を市職員に手渡した。一緒に世話した児童らの寄せ書きも添えた。澤田さんは「夢見た日が来た。くたびれたときもあったが立派に成長した。わが子を送り出すよう」と感慨深げだった。

 市職員は同日夜、鯖江市を出発。現地のNPO法人「高田松原を守る会」に渡し、苗木畑に植える予定。同NPOの鈴木善久理事長(71)は「被災松のDNAを受け継ぐ苗木をいただきありがたい。被災前の美しい高田松原を取り戻すのに役立てたい」と話している。

 市職員は中央中の吹奏楽部の生徒が集めた募金で購入した楽器も岩手県大船渡市内の中学校に届ける。

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