浜町周辺の今後の可能性を高く評価する隈研吾さん=20日、福井市中央3丁目の開花亭sou-an

 2020年東京五輪・パラリンピックで使う新国立競技場のデザインを手掛ける建築家の隈研吾さんは、福井市中央3丁目の通称浜町にある料亭「開花亭sou—an」(08年建設)の設計をきっかけに、10年以上にわたり福井のまちと関わりを持つ。20日、福井新聞のインタビューに応じ、浜町から足羽川、足羽山にかけたエリアについて「まちと水と緑が近くにある。人を呼ぶためのこれからの最大の武器になる」と今後の可能性を高く評価した。

 —福井のまちの変化をどうみるか。

 だいぶ光が見えてきた感じがする。浜町が典型だが、福井の人の熱意とポジティブさが積み重なって、(自身が設計した)「開花亭kuri—ya(くりや)」が間もなく完成するし、周辺で新しい事業の動きも起きている。全国でさまざまなストリートの再生を見てきたが、その中でも浜町は特筆すべきで、ストリート文化のメッカになり得る。全国からも海外からも人が集まってくる予感がしている。

 —福井との関わりは10年以上になる。

 浜町は、10年間の時代の変化を見せるミュージアムでもある。東日本大震災もあったし、もっとゆるく生きようと日本が変わってきたのが、この通りからは見える。

 プロセス自体を楽しむのが、これからのまちづくり。まちづくりは人を巻き込める一番の遊びと言っていい。いろんなプレーヤーが参加できる。昔はプランナーだけが参加していたが、今は店を開く人も遊びに来る人も最初から巻き込まれて、そこで新しいネットワークができる。出来上がるハードより、その途中でできるものが最高の財産になる。ハコモノ主義から「ストリート主義」へと価値観は変わった。

 —JR福井駅西口には再開発ビル「ハピリン」が完成した。印象は。

 これから(使い方の面で)熟成させていって、建物の周りで何ができるかを頑張るべきだろう。

 —浜町周辺の今後の可能性は。

 幸いにも非常に近い距離にまちと水と緑がある。あとは、つないでやればいい。つなぐ道具になるのがストリート。今度は足羽川方向に延びて回遊性が生まれると、すごく魅力的になる。足羽川沿いには、自然と歴史が合わさった独特の風格が感じられる。最初に浜町に来たときに川沿いを一通り歩いた。歩くことで距離を体で実感できて、その場所が初めてリアルな場所になる。そのときに福井はいいなぁと体が感じた。

 —「体が感じた」とは。

 これからは、まちもビジュアルでなく、体で感じる時代になる。ネットの投稿などでビジュアルは氾濫するが、それだけじゃなく、行ってみて体で感じてもらえるようにしないといけない。浜町周辺はその条件を満たしている。

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