除草剤を散布しながら水田の水面を走るラジコン・ホーバークラフト=24日、福井市八重巻町

 水田除草作業の労力軽減へ、農機販売・メンテナンスのヨシミ商会(本社福井市大和田町、吉田耕司社長)は今年から、薬剤散布用のラジコン・ホーバークラフトの本格生産と販売に乗り出した。24日、福井市内の田植えを終えた約60アールの水田で除草剤を散布し、むらのない安定した作業性をあらためて確かめた。

 機体には耐食性に優れた繊維強化プラスチック(FRP)を採用した。全長153センチ、幅96センチ、高さ57センチ、重さ21キロ(燃料、薬剤充填(じゅうてん)時は約30キロ)。50ccエンジンでプロペラを回し、起こした風によって推進力と浮力を得て、水面すれすれを走る。

 手元の送信機で▽進む▽止まる▽曲がる▽薬剤を出す▽薬剤を止める—などの各指示を送りながら操作する。送信機からの電波到達距離は約300メートルで、水田に入ることなく、あぜや農道から除草剤散布ができる。

 最高時速約30キロで走行し、作業時間は1ヘクタール当たり10〜15分。人力散布に比べ、大幅に労力と時間を減らせる。除草剤は水面に接する機体の底部から噴出され、風で飛散することなく均一に散布できる。ラジコンヘリのような専用免許取得や定期検査の必要がなく、誰でも簡単に操作できるのも特長だ。

 水面を浮くように走るため、土が一部のぞくなどした凹凸のある水田でも“座礁”しない。苗の根元を傷めることもなく、むしろ「麦を強くする『麦踏み』のように、苗を一度なでていじめることで強い稲が育つ」(吉田社長)という。

 ヨシミ商会は、水田の規模拡大や生産者の高齢化が進む中、3年前から開発に着手。同社初の製造部門を立ち上げ、独自の技術で多少の雨、風の日でも走行姿勢が安定し、水面を滑らかに進む機体に仕上げた。吉田社長は「農業が変化していく時代に対応した商品作りが必要」とし、今後は「無農薬栽培の水田への応用も考えていきたい」と話している。

 1台110万円(税別)。県内外の地域の担い手農家や生産法人のほか、農機店のレンタル用、作業請負のビジネスツールとしても売り込んでいく。問い合わせは同社「RCホバークラフトサービス」=電話0776(52)7002。

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