パソコンで視聴できる「スタディサプリ」の授業

 福井、坂井両市の3小中学校がこのほど、全国的に実績のある講師の授業をパソコンやタブレット上で受けられるオンライン学習サービスを試験的に導入。基礎学力の底上げや学習習慣の定着面で一定の成果がみられたとする研究結果をまとめた。

 導入試験は、リクルートマーケティングパートナーズ(東京)が両市教委と協力して行った。2015年9月から16年2月まで、同社が運営するオンライン学習サービス「スタディサプリ」を福井市国見小5、6年生12人、同市川西中1〜3年生132人、坂井市丸岡南中3年生122人に提供した。

 スタディサプリは、大手進学塾で難関校クラスを担当してきた講師や、教科書の執筆経験がある教員など、経験豊富な講師が教科書の内容を分かりやすく教えるオンラインの「塾」。ネットが使える環境であれば、いつでもどこでも繰り返し視聴できるのが特徴で、15年度末時点の累計会員は約25万人に上る。

 今回、3小中学校は学校や自宅での復習、朝学習や放課後学習、授業の補助教材として活用。各校の児童生徒に学習に対する意識の変化を6項目で尋ねたところ「勉強が楽しくなった」「苦手を克服できた」といった項目で肯定的な回答が得られた。

 自宅での復習や朝学習にサプリを活用した国見小では「勉強の回数が増えた」「勉強の習慣がついた」と回答した児童が7割を超えた。

 丸岡南中では授業の補助教材として積極的に取り入れたクラスの成績が飛躍的に向上したという。児童生徒からは「自分のペースで動画を見られるのでよかった」「動画解説や図形問題の図解が分かりやすい」「授業で聞き逃したことがサプリの動画で分かった」といった声があった。

 福井市学校教育課の吉川雄二課長は「サプリは、自分がつまずいていた学年までさかのぼって繰り返し学習できるため、基礎学力の向上に大きな効果があると感じている」と分析。坂井市の川元利夫教育長は「学力や学習意欲の面で良好な結果が見られた。今後、市内の児童生徒の日常的な学習習慣の定着に向け、サプリ活用の検証を進めていきたい」としている。

 リクルートマーケティングパートナーズの担当者は「福井県内は学習塾が少ないため学校の授業が重視されている。一人一人の学力に合わせた授業の展開にも貢献できると思う」と話している。

 福井市は本年度、表現力の育成や学びの意欲向上を狙い、市内42小学校に教育タブレットPC端末を導入。また、熊本県教委は生徒間の学習習熟度の差を埋めるための対策として4月から、スタディサプリを県立高10校に配備しており、教育現場におけるICT(情報通信技術)活用が広がっている。

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