もんじゅの新たな運営主体を決める時期について「『夏まで』の思いに全く変わりはない」と記者団に述べる馳文科相=20日、文科省

 文部科学省は20日、高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)の新たな運営主体を探る第8回有識者検討会を開き、原子力以外の外部専門家が半数以上参加する経営協議体を設置することなどを新組織の要件とする報告書案を大筋で了承した。月内にも検討会の最終会合を開き、正式に報告書を取りまとめる。

 馳浩文科相は会合後、あらためて夏をめどに政府として、受け皿を決める考えを示した。

 報告書案は、社会の関心や要請を運営に反映できることを運営主体の要件に掲げ、監督官庁の関与を待たず自ら問題解決に取り組めるよう、経営協議体を設置するよう求めた。組織の形態としては特殊会社や特殊法人、認可法人などを選択肢としている。

 このほか▽研究開発炉の特性を踏まえた保全計画の策定と遂行能力▽現在の運営主体である日本原子力研究開発機構の技術の確実な継承と高度化—など四つの要件を挙げた。

 保守管理の不備が続くもんじゅの現状については「運転再開に向けた体制を検討できる最後の機会」と指摘した。

 委員からは「組織移行で現場が混乱すると、時間的なロスが生じる。現場作業への配慮を注記しては」「要件は、これを守ればいいという十分条件でなく、あくまで必要条件と明示すべき」などの意見が出された。

 報告書の最終章で、もんじゅを活用した研究・人材育成など福井県の取り組みに触れた部分に関しては「周辺自治体や国民全体に対する記述も必要」といった声もあり、さらに修正を加えることとした。

 有馬朗人座長は会合後、「書き方が不十分な部分は残るが十分な議論ができた」と検討会を振り返った。説明者として出席した原子力機構の児玉敏雄理事長は、「最後の機会」との指摘に「厳しく受け止め、自らもそのつもりで取り組む」と取材に答えた。

 原子力規制委員会は昨年11月、保守管理の問題が相次いだ原子力機構について「運転を安全に行う資質を有していない」と指摘し、半年後をめどに、代わりの運営主体を特定するよう文科相に勧告。文科省は昨年12月から検討会を開き議論を続けている。

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