福井県内上場企業の2016年3月期決算が出そろった。決算期が異なる企業と金融機関を除いた8社のうち6社が増収となり、増収増益は5社。純利益ベースで4社が過去最高益となった。ただ17年3月期は4社が減収減益(純利益ベース)を予想。為替変動や国内人口の減少といった課題への対応が今後の業績の鍵となりそうだ。

 ■自動車、住宅が好調

 自動車関連と住宅関連では収益を伸ばした企業が目立った。セーレンはカーシートなど主力の車輌資材事業が国内外で好調、住宅資材も新設住宅着工戸数の持ち直しに伴って売り上げを伸ばし、4期連続で増収増益。フクビ化学工業は新設住宅の着工戸数、床面積が伸びたのを背景に、リフォーム分野にも力を入れるなどし、2期ぶりの増収増益となった。

 プレス機械を主力とするエイチアンドエフは減収ながら純利益が過去最高となるなど2期ぶりの増益。自動車業界の設備投資が堅調で、期末の受注残高も前期末と同水準を確保した。田中化学研究所は環境対応車用のリチウムイオン電池向け製品の販売量が増えるなどして3期連続の増収となった。

 ■4期連続最高益も

 サカイオーベックスは主力の染色加工事業が減収だったものの、繊維販売事業が伸びたことと、持分法適用関連会社への投資利益によって3期連続の増収増益。電力・自動車関連向けの制御機器や情報システムが好調だったことも収益を押し上げた。福井コンピュータホールディングス(HD)は建築CAD、測量土木CADの両事業とも保守サービスが収益を伸ばし、純利益が4期連続で最高を更新した。

 一方、三谷商事は原油価格の下落が響くなどして6期ぶりの減収。三谷聡社長はハイブリッド車の増加や、生産拠点を海外にシフトする流れが止まっていない状況から「石油製品の売り上げは今後も厳しい」との見方を示した。

 ■首都圏へ高い関心

 17年3月期についてはセーレン、三谷商事、三谷セキサン、エイチアンドエフが減収減益(セーレンは営業利益のみ増益)と予想した。

 自動車内装材の売上高の7割を海外が占めるセーレンは、特に為替相場の影響が大きい。15年3月期の相場は対米ドルで平均105円85銭だったのに対し、16年3月期は同121円05銭へと円安が進行。しかし17年3月期は同110円を想定しており、結川孝一社長は「16年3月期は約7億5千万円のプラス効果があったが、17年3月期は約8億5千万円が(円換算すると)マイナスに働く」と説明した。田中化学研究所の田中保社長も「輸出が多くなっている中で円安が望ましい」と話した。

 また20年東京五輪も見据え、人口の地方での減少と首都圏集中をにらんだ経営トップの発言が相次いだ。三谷商事の三谷社長は今後の投資先として「人口が集中する都市部でのサービス業」に関心を寄せた。フクビ化学工業の八木誠一郎社長は五輪需要をにらみ、「首都圏での営業強化」を図るとともに「超高齢化社会の住宅の在り方を研究し、新たな商品開発にも力を入れていく」と話した。

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